新卒1年目のころは、新しい環境に慣れるのに必死でしたが、2年目は仕事にも少し慣れて、余裕が出てくる頃ではないでしょうか。
周りが見えてくると、「上司からのあたりがきつい」「夜勤続きで体を壊してしまった・・」など「こんなはずではなかった!!」という方もいらっしゃると思います。
就職したらとりあえず3年と言われていますが、看護師は資格という武器があり、2年目でも転職先は見つかります。
ここでは2年目で転職することのメリット・デメリットと転職を成功させるために必要なことをご紹介していきます。
目次
2年目で転職は早すぎる?
日本看護協会によると、新卒の看護師の離職率は7.8%と言われています。
離職率7.8%というのは、約13人に1人は1年以内に転職しているということです。
7.8%は平均の数字ですので夜勤がある病院はもっと高い離職率でしょう。
看護師は5年に一度は転職すると言われている業界です。
女性が多い職場であるため、結婚・出産・育児のために転職することがその背景にあげられます。
2年目の看護師の方が転職を考える理由としては、
- 後輩が入ってきたことのプレッシャー
- 自分だけ教育担当がついている
- 他に興味があることがでてきた
- 人間関係が不満
- 職場が遠い
- 給料への不満
- 夜勤がきつい
などがあげられます。
看護師2年目は新卒に比べて、他への興味が出てきたり、同期や後輩との成長スピードの差に悩み、転職するケースも増えています。
2年目で転職することのメリット
2年目に転職するメリットは以下の通りです。
- 1から教える必要はない
- 新たな環境にも対応できる
1から教える必要はない
看護師2年目は厳しい研修や使用期間を乗り越えていますので、新卒のように1から手取り足取り教える必要がありません。
さらに、看護師としてまだまだ新しいことを吸収できるのが2年目です。
まだまだ成長する可能性を秘めています。
また、新卒1年目でやめた場合は新卒2年扱いになりますが、看護師2年目で、転職した場合は中途採用扱いになります。
新たな環境にも対応できる
看護師2年目は看護師3年目に比べて経験は浅いですが、そのかわり新しい職場に柔軟に対応できます。
そのため、前の職場で長く働いている人よりも、2年目の方が転職先になじみやすいというメリットがあります。
2年目で転職することのデメリット
- 忍耐力がない人なのかと思われる
- 経験不足だと思われる
- 応募すらできない場合もある
忍耐力がない人なのかと思われる
2年目で退職していることで、採用担当者には「またすぐに辞めてしまうのでは・・」と思われる可能性があります。
そのため、3年目以降の人と比べると難易度は上がるでしょう。
面接では必ず聞かれる項目になりますので、担当者が安心できるような理由を用意し、アピールしましょう。
経験不足だと思われる
看護師2年目は1年目より経験はあるといっても、やはり3年目以降の人とは経験もスキルも劣る場合がほとんどです。
即戦力を必要としている病院の場合、経歴2年目は経験不足とみなされてしまうことがあります。
少人数で仕事をしているところはまだ新人を育てる余裕がないため、経験が少ない2年目は採用されにくいでしょう。
応募すらできない可能性がある
例えば「臨床経験3年以上」と条件の記載がある場合は応募すらできないのが、2年目のデメリットです。
本当に行きたい場合病院に、実務経験3年以上と書かれている場合は応募することすらできません。
やはり、3年以上働いた人に比べると選択肢は狭くなるでしょう。
やっぱり3年働いた方が有利なの・・?
先ほども述べた通り、2年目で退職することでのデメリットは避けられません。
一般的には「とりあえず3年」と言われています。
とりあえず3年以上と言われているのは、3年以上働くと経験をアピールできるほか、忍耐力もある程度はあると見てくれるからです。
しかし、一般の企業の転職に比べて、看護師は2年目でも転職先に困ることはありません。
それだけ「資格がある」ということは強みになるということですね。
看護師は職場の環境に左右されやすい仕事のため、「職場を変えたことで人生が変わった」という方も珍しくありません。
現在は多くの病院で看護婦が不足してあり、経験が少ない看護婦でも採用される場合が多いです。
転職を考えている方も諦めないでくださいね。
そして、転職する場合は今の悩みを解決できる職場を探しましょう。
2年目の転職を成功させるために必要なこと
看護師では2年目の転職は珍しくなく、働き口も見つかりやすいですが、転職を成功させるためには準備が大切です。
退職理由をしっかりと用意しよう
転職理由は必ず聞かれる項目ですので、面接の際にきちんと答えられるように準備しておきましょう。
家庭の事情や結婚・出産などのやむを得ない事情の場合、ある程度正直に話しても問題ありませんが、人間関係や、待遇面の不満が原因の場合、そのまま伝えてしまうとあまりいいい印象は持たれません。
ネガティブな退職理由の場合はポジティブな理由に変換できないか考えましょう。
(例)
○○の分野に興味を持ったが前職では勉強できない分野だった。
自分の資格を活かせる環境に身を置きたい
「またすぐ辞めるのでは・・?」という面接官の不安をなくしてあげることが面接突破に近づきます。
看護師の転職は面接が決め手!好印象を与える志望動機・自己PRを教えます
転職先に求めることを整理しよう
看護師2年目の皆さんは新卒ときの病院選びとは違う価値観を持っているはずです。
転職先に何を重視するのか整理できないまま「逃げる転職」をしてしまったり、「何となく職場を選んだりしてしまうと、また同じようなことで悩み転職を考えることになってしまいます。
- 給料は少し減ってもいいから、きちんと休みが取れる職場にしたい
- ○○科に興味があるから、○○科があるところに努めたい
- 子供の送り迎えがあるから、職場は自宅から近いところがいい
など、求めている条件は人それぞれだと思います。
自分が職場に何を求めるのか、1度立ち止まって考えてみましょう。
志望動機をはっきりさせることにも繋がります。
看護師としての将来のことを考えよう
職場でどうなりたいかを考えて余裕のある方は、将来自分が看護師としてどうありたいかを考えてみましょう。
特に女性の方は、結婚・出産・出産などのプライベートな理由で転職する可能性もあります。
家庭との両立を考えたとき、どんな職場がいいかを考えることで転職先を選ぶ基準も変わってくるのではないのでしょうか。
円満転職を目指そう
次の職場で気持ちよく働くために、今の職場では円満退社を目指しましょう。
家庭の事情や結婚・出産などやむを得ない理由は正直に話してOK。
人間関係や待遇面の不満などのネガティブな理由の場合は、勉強したい分野があるといったポジティブな理由に置き換えて話しましょう。
教育制度がきちんとしている職場を探そう
看護師2年目はまだまだ学ぶことが多いため、教育制度が整っている職場や先輩が丁寧に指導してくれる職場を選ぶことが大切です。
新しい職場で教育が受けられないと、戦力になることができず、周りとの格差に悩み、転職を繰り返してしまう原因にもなります。
まだまだ吸収でき、成長する可能性を秘めている2年目だからこそ、教育制度が整っている職場を探しましょう。
周りの人に相談する
転職に悩みはつきものです。迷ったらひとりで 抱え込まず、周りの人に相談しましょう!
職場の人には相談できませんが、看護学校の先輩や同じ業界で働いている友達の中には、転職を経験している人もいるはずです。
価値観の近い人からのアドバイスは大変参考になるでしょう。
転職に狙い目のタイミングがある!
転職に適した時期に転職することも、成功させるコツのひとつです。
1月・7月・8月・9月が狙い目と言われています。
それぞれ月が退職に適している理由について、簡単にご説明します。
- 1月・・看護師の冬のボーナスは12月。もらってから転職する看護師が多いため病院は人手不足になりやすいです。良い病院も空きが出る可能性があります
- 7月・・看護師の夏のボーナスは6月で、もらってから転職する人が多いため、求人が増えます。また、看護師は交代で夏休みをとるため人手不足になりやすいです
- 8月・・公務員看護師の求人募集があります。国立・県立の病院への転職を考えている方はこの時期の転職活動がおすすめです
- 9月・・夏のボーナス後に退職した看護師の補充のため、転職に適しています
2年目看護師が転職する際にやってはいけないNG行動
2年目の看護師が転職するのは珍しいことではなく、転職口も他の職種に比べて豊富にあります。
しかしいくら転職ができるからといって、のびのびと転職活動を進めていいわけではありません。
ここでは2年目看護師が転職する際に、やってはいけないNG行動を紹介します。
職場の同僚や上司に転職をチラつかせる
転職活動を始める際は、誰しも何をしていいのかわからないものです。
しかし勝手がわからないからと言って、自分の職場の同僚や上司に転職に関する話題をチラつかせるのはやめておきましょう。
いくら職場の雰囲気が良くても、転職する可能性があるというだけで接し方が変わってしまうこともあるようです。
人手不足の職場では、「ちょっと転職は待って」と引き留められてしまうこともあります。
仲のいい人でも、飲み会の席やふとした瞬間にポロっとしゃべってしまうこともありますから、転職先が完全に決まるまで職場には黙っておくようにすることをおすすめします。
転職先の内部事情について調べずに転職を決めてしまう
職場の雰囲気や人間関係が嫌で転職を考える2年目の看護師もいるのではないでしょうか?
看護師は女性が多い職場ですから、人間関係で悩む方も多いですよね。
転職をする際に「職場の雰囲気」を軸にしていこうと決めたものの、よく調べないでサイトに掲載されている写真の雰囲気や、求人票の文章だけで転職先を決定してしまう人は実は多いんです。
もちろん例外はあるでしょうが、基本的にサイトや求人票に掲載されている情報は、病院をよく見せるように手が加えられています。
そのため事前に転職を希望している病院の内部事情について、可能な限り調べておくことが重要になります。
知人に効いて情報収集するのもいいですが、転職活動を行っていることが職場にばれたくない人は「看護師専門の転職サイト」を利用することをおすすめします。
無料で利用できるほか、コンサルタントが調べた内部事情についても共有してくれます。
転職先が決まる前に退職してしまう
早く職場を離れたいからと言って、転職先が決まる前に退職してしまうのはNGです。
転職活動は思っているよりもお金がかかります。
2年目での転職ですと、貯金額に余裕のある方は少ないでしょう。
収入が不安定な状態で転職活動を行ってしまうと、最初は気が楽でもなかなか転職先が決まらなくなってくると、焦って正常な判断ができなくなってしまいます。
焦った結果、また転職先でも同じ悩みを抱えてしまい、転職を繰り返すことにもなりかねません。
心とお金に余裕をもって転職活動をするように心がけましょう。
2年目の看護師におすすめな転職先2選
2年目で転職を検考えている看護師におすすめな転職先は、以下の3つです。
- 違う地区の病院
- 地域の小規模なクリニック
以下で詳しく説明します。
違う地区の病院
大学や専門学校を卒業後、大学病院や総合病院へ勤務している人もいることでしょう。
大学病院や総合病院は規模が大きく、地域に根差していることも多いため、病院所属の看護師が転職を検討する際は、違う地区の病院を転職先に選ぶようにしましょう。
特に総合病院であれば、研修制度も資格取得制度も充実していることが多いので、まだまだ学んでスキルを磨いていきたい方は、転職先の選択肢に入れておくことをおすすめします。
地域の小規模なクリニック
みなさんの家の近くにも「〇〇医院」や「〇〇クリニック」などの小規模な診療施設があるはずです。
こういった小規模なクリニックは、2年目の看護師の転職先として非常にオススメです。
スタッフの人数も少なく、スタッフ同士の仲がいいことも多いです。
また冬のインフルエンザなどの感染症が流行る時期でなければ、残業時間も比較的少ないようです。
入院施設のないところであれば、夜勤もありませんので夜が苦手で夜勤を避けたい…という方でも、安心して働くことができます。
しかし夜勤が無いと「夜勤手当」をもらうことができませんから、収入が減る可能性があることは頭に入れておきましょう。
看護師の転職には「看護師向け転職サイト」がおすすめ!
転職サイトを利用するなら、一般の求人サイトよりも募集が多いため、看護師専用の転職サイトを利用しましょう。
転職で悩んだ時の相談相手にもなってくれますし、非公開求人も見ることができます。
さらには、病院の内部情報を教えてくれるため、職場の雰囲気や労働環境などを知ることができます。
人間関係や労働環境で悩んで転職を決めた方は、求人票に載ってない詳しい労働状況を知ることができますので、安心ですね。
見事、合格してからも、お給料の干渉や提出する書類の準備を代わりに行ってくれます。
ハローワークは求人の質が良くありません。
担当者は求人に載っている情報しか分からず、病院の内部事情まで知ることができないため、職場を探す手段としてはお勧めできません。
看護師の転職にお勧めの転職サイト3選
看護のお仕事 総合サイトNO.1 公開求人数5.3万
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丁寧な相談で膨大な量の求人があるため、希望の転職先が見つからないという口コミは見つかりません。
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大手の転職ノウハウを生かして、サポートをスピーディに行ってくれるとの評判が高いです。
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まとめ
看護師の2年目は1年目の頃とは物の見方がかわり、自分自身のこと、仕事について、職場について・・など、いろいろ見えてくる頃なのではないかと思います。
そんな2年目は「なぜ転職したいと思ったのか」「これからどういう職場でどのように働いていきたいのか」を見つめ直す絶好の機会ではないでしょうか。
2年目で転職することは一般の企業よりは多いですし、職場も見つかりやすいでしょう。
しかし、メリットもデメリットもあるためしっかりとした準備が大切です。
まずは、自分自身で転職する理由と将来の見通しを立てることで成功に近づきます!