看護師業界では転職は珍しいことではありません。
20代の時に人間関係や勤務形態で転職を経験し、今度は結婚を機に転職を考えている30代の皆さん。転職回数が多いと、採用に不利なのか不安ですよね。
転職回数が多すぎると確かに不利になることはありますが、過去のことは変えられません。
過去のことを振り返るよりも、次の転職を成功させる方法について考えませんか?
ここでは看護師の平均的な転職回数と転職を成功させるコツをご紹介していきます。
目次
看護師の転職回数はどこからだと多いの?
看護師に転職は珍しいことだはないと冒頭で言いましたが、平均的な転職回数はどのくらいなのでしょうか。
年齢 | 0回 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 |
---|---|---|---|---|---|
20代 | 46% | 30% | 17% | — | 6% |
30代 | 29% | 23% | 20% | 18% | 6% |
40代 | 18% | 20% | 28% | 12% | 11% |
50代 | 12% | 13% | — | 25% | 19% |
グラフから分かる通り、20代は3回以上、30代は4回、40代は5回を超えると転職回数が多いと思われるようです。
注目してほしいのが、転職経験者は20代で54%と約半分にのぼっていることです。
さらに30代になると転職経験者は70%にもなっています。
看護師の転職自体は珍しいことではないことが分かっていただけたのでしょうか。
みんなどんなことで転職しているの?
看護師の主な転職理由は1位が育児出産。2位が結婚となっています。
3位以下の理由は以下の通りです
- 他の職場への興味
- 人間関係への不満
- 労働時間の不満
- 通勤時間に不満
- 休みがとれない
- 夜勤の負担が大きい
- キャリアアップの機会がない
3位はネガティブな理由が多く見受けられます。
また看護職は全国に職場があるため、結婚や夫の転勤に伴う引っ越しをしても、比較的働きやすい業界のため、環境の変化で転職を考える方も多いのですね。
看護師のよくある転職理由ランキング!面接ではどう伝えるべき?
やっぱり転職回数が多いと不利なの?
短期間で辞められると、書類選考・面接・採用にかけた時間や人件費などの投資がすべて無駄になってしまいます。
採用する側にとっては、すぐやめてしまいそうな人を採ると時間も経費も無駄になってしまいますので、避けたいところです。
目安として20代であれば3回、30代なら4回ぐらいまでなら、転職回数を理由に採用が不利にはならなりません。
転職回数よりも面接官が気にすることは「勤務期間」と「退職理由」です。
例えば、5年で4回の転職の場合、1つの職場で3年以上勤務していたのと、1年前後の勤務を4回したのとでは印象が違います。
また、結婚・出産・育児転勤・介護などのやむをえない事情で転職した看護師と、特に生活に支障がないのに転職を繰り返した看護師でも印象が大きく変わってきます。
転職回数が多いことで面接官が気にするのは、
- またすぐに辞めてしまうのではないか?
- 仕事の責任感がないのではないか
- 協調性がないのではないか
といったことです。
転職回数よりも、その理由を聞かれる可能性高いでしょう。
面接を突破するには、面接官の不安を払拭してあげる必要があります。
つまり「協調性がある」「仕事に責任感がある」「意欲がある」「忍耐力もある」と印象づけられれば、面接官が転職回数を理由に不採用にする確率はグッと減ることですね!
転職の多さをプラスに変える!
看護業界において、2回3回転職している人は珍しくないので、転職をしていることに関して引け目を感じる必要はありません。
転職回数が多いというとこは、「様々な職場で働いてきた経験とスキルがある」「即戦力になる」ということです。
転職してきた経験を生かして、仕事に意欲的であり、職場に対応できるというアピールをしていきましょう。
こんなことをいうと転職回数が採用に悪影響を与えてしまいます
転職の理由の伝え方によっては面接官に悪い印象を与えてしまうので、注意してください。
前の職場の不満を言う
転職の理由を周りの人や環境のせいにすると、採用担当者は「またうちでも同じ理由で辞めてしまうのではないか・・」と不安がってしまいます。
ただ前職の不満を述べるのではなく、その経験から学んだことを反省点も交えて話したり、ポジティブな理由に変換して話したりすることで、悪印象を与えないようにすることができます。
嘘をつくのはNG!
転職回数が多いと、職歴を隠したり、転職した事実を隠したりしたくなってしまいますよね・・。
ですが嘘をつくことは絶対にNGです。
信用問題にかかわりますし、たとえ採用されたとしても契約が破棄や最悪の場合、裁判になる可能性もあります。
すべての退職理由をそのまま話す必要はありませんが、嘘をつくことは避けてください。
転職を成功させるための理由の伝え方のコツ
ポジティブな理由はそのまま伝えてOK
スキルアップをしたい。資格を生かして活躍したい。勉強したい分野がある。などのポジティブな理由はそのまま伝えてOKです。
仕事に意欲的であること、もっと高みを目指したいことを積極的にアピールしていきましょう。
前の職場には希望通りの分野や勉強できる環境がなかったことを伝えましょう。
やむを得ない理由は正直に伝えよう
引っ越し・結婚・妊娠・出産・育児・介護などで転職をやむを得なかった場合も正直に伝えて大丈夫です。
まずは正直に伝えて、現在は同じ理由がないことをはっきり伝えましょう。
(例)
- 親の介護をしていて転職したが、今は代わりに面倒を見てくれる人が見つかった。
- 結婚をして転職を決意した。前職では○○も業務を任され、○○の工夫を行っていた。これを生かして次は○○の分野で活躍したいと思っている。
理由に加えて、仕事に意欲的であることも合わせて伝えましょう。
ネガティブな理由はそのまま伝えないで!
残業が多い・勤務時間が合わない・人間関係が合わなかった・休日が取れなかったなどのネガティブな理由で転職する場合、そのまま理由を伝えることは避けましょう。
たとえ、自分に全く非がなく、環境に問題があったとしても、そのことを正直に伝えるとどうしても印象が悪くなってしまいます。
プラスに受け取ってもらえるように変換をするか、ポジティブな別の理由を考えましょう。
過度な残業や勤務形態が合わなかった場合は具体的に数字を示す
できるだけ数字を出して、客観的に事実を話しましょう。
「過度な残業がきつかった」「休みが取れなかった」と抽象的に伝えるよりも、
「残業が毎日5時間以上あった」「月の休みが2~3日しかなくて体力的に限界だった」
など具体的に話すことで説得力が生まれます。
また、「自分のやりたいことを見つめなおした」などの理由に言い換えられる場合はそちらを転職理由として話しましょう。
人間関係で転職する場合は、別の理由を用意しよう
看護師だけでなく、その他の業界でも人間関係がきっかけで転職する人は非常に多いです。
しかし、面接官は当時の状況やあなたの心情を理解するのは難しく、判断しかねます。
人間関係が理由の場合どうしても「また人間関係がきっかけで辞めるのではないか」と採用担当者に思われてしまいますので、できるだけ避けた方が安全です。
執拗に転職を繰り返さないためは自身の整理と情報収集が大切
転職は悪いことではありませんが、できれば理想の職場でいきいきと働きたいですよね。
次の転職を成功させるためには、まず「自分が職場に何を重視するのかを見極めること」と「職場の正しい情報を入手する」ことが大切です。
自分が職場に何を重視するのかを考えよう
転職の理由は人それぞれです。残業が少なくて、休日も多くて、給料は高くて、人間関係を良好なのが理想だとは思いますが、自分の希望する条件をすべてみたす職場を見つけ出すことは難しいでしょう。
例えば結婚・育児を機に転職する場合、「家族と過ごす時間を大切にしたい」と考えているならば、残業は少ないことと休日がきちんととれることは必須条件だと思いますが、残業が少ない分、給料は前職と劣る可能性があります。
それを、給料を絶対落としたくないと考えて職場を探すと、結果的に休みがとれなくて、また転職を考えなくてならなくなってしまいます。
転職には時間も労力もかかるので、自分が転職に1番何を期待するのかをしっかりと見極めていく必要があります。
職場の正しい情報を入手することが転職成功への道!
転職に関して約8割の看護師が「就職前と就職後のギャップ」を感じているそうです。
特に職場の雰囲気や人間関係は求人票や病院のホームページからでは分からないので、正しい情報を得ることが大切です。
ここからは職場について情報を得る手段をおすすめ順に紹介していきます。
知人、友人の口コミ おすすめ度★★★
自分と価値観が近く、知った人からの情報は信頼できると思います。
調査によると約68%の看護師が就職先を選ぶ際には、家族・知人・友人から得た情報を重視しているそうです。
自分に身の回りに、看護業界で働いている人がいる場合は聞いてみましょう。
看護師転職サイト おすすめ度★★★
看護師転職サイトは、看護師の転職サポートを行ってくれる人材サービスです。
看護業界に詳しいキャリアコンサルタントが無料でサポートしてくれるので安心です。
転職サイトでは、職場の雰囲気や、残業、離職率、看護師の主な退職理由、さらには看護部長の性格まで(!)あらゆることをコンサルタントが調べて教えてくれます。
「第3者」を介して生きている情報を得ることができることがメリットです。
ただし
- 信頼できる転職サイトを見極めること
- 住んでいる地域に強い転職サイトを選ぶこと
に注意する必要があります。
病院見学に行く おすすめ度★★★
候補の病院を直接自分で見て、自分の目で病院内の雰囲気を確かめることができます。
百聞は一見に如かず、ですね。自分が肌で感じなければ分からないとこもあるかと思いますので、応募先が行ける範囲内であれば、自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか。
看護師が笑顔で挨拶をしているか?何となく雰囲気が淀んでいないか?ナースステーションは整頓されているか?自分が働いているイメージが湧くか?などチェックしましょう。
病院見学を行う際には、面接時に見学したいことを前もって伝えるか応募前に直接電話をかけるなどで依頼しましょう。
「自分では見学させて欲しいと言いづらい・・」という方は、看護師転職サイトを通じて病院見学をすることもできます。
eナースセンター おすすめ度★★☆
eナースセンターとは、日本看護協会が行う無料の職業紹介をインターネット上で受けられるシステムのことです。
求人情報だけでなく、「看護職員が働きやすいように努力しているか」などの職場環境の取り組みについての情報を持っています。
ただ、持っている施設の情報が少ないため星2つにしました。
個人のブログ、インターネットの掲示板 おすすめ度★☆☆
個人のブログやインターネット上の情報は見知らぬ人が書いているため、情報の真偽は分かりません。しかし、役に立つ情報があることも確かです。
すべて鵜呑みにするのは危険ですが、参考程度にはなるでしょう。
病院の口コミサイト おすすめ度★★☆
実際に勤務した看護師が口コミを書いているので、人間関係・残業・休日の実態などを病院ごとに知ることができます。
判断材料には使えますが、個人のブログと同様に情報の真偽は分からないので、星2つにしました。
ハローワーク おすすめ度★☆☆
求人を掲載している病院について、求人票に乗っている以外のことは詳しく把握していない場合がほとんどです。求人票に載っていない、働きやすさや人間関係などの項目は自分で調べる必要があります。
また看護師の求人も他と比べて少ないため星1つにしました。
病院のWEBサイト おすすめ度★☆☆
病院のWEBサイトでは、実際の業務や、病院の概要について知ることができます。
勤務している看護師のインタビュー記事が掲載されている場合もありますが、残業が多い、実は人間関係が・・などのネガティブな情報は掲載されないため、ネガティブな情報については自分で調べる必要があります。
本当に知りたい内部情報を得ることができないので、併用して情報を集めましょう。
転職回数よりも転職理由をしっかり考えよう
看護師は20代だと3回以上、30代だと4回、40代以降は5回を超えると転職回数が多いと思われるようです。
面接官は単なる転職の数ではなく、転職の背景や理由を重視しています。
たとえ転職経験があっても気おくれする必要はありません。
転職回数が多くても、仕事に前向きであることをアピールすれば採用担当者に「採用したい!」と思ってもらえることは可能です。
みなさんの転職成功を願っています!