看護師から医師に転職はできる?医師を目指す方法

看護師と医師

看護師の仕事にも慣れた頃、もっと上を目指したいと思う人も多いと思います。

スキルアップ、キャリアアップがしたいと、専門看護師や認定看護師の取得を考える人もいれば、もっと深く医療に関わりたいと思い医師を目指す人もいます。

看護師と医師は同じ医療の中で仕事をしていますし、病院の中でも距離が違い身近な存在ですよね。

ですが、違う職業であることは間違いありません。

看護師が医師を目指す場合、どのような経過が必要なのか考えていきましょう。

看護師から医師になるために必要なもの

そもそも看護師から医師への転職は可能なのでしょうか?

答えは、可能です!

ただし、かなり難しい道であることは覚悟した方が良いと思います。

看護師も病気や治療についての知識はありますが、その知識や経験は医師になるための受験には関係のないものです。

看護師と言えども医師になるには医大で学ぶ必要があります。

当然医大受験のための勉強が必要になりますが、ここでは医療の知識はまったく必要ありません。

医大に入学するには最低でも偏差値60以上は必要

医大入学に必要な偏差値は最低でも60以上と言われています。

有名大学などでは偏差値70、80は当たり前です。

医師を目指す人たちは、この難関を突破するために子供の頃から勉強を続けています。

その人たちに負けないくらいの学力をこれからつけるのは、容易ではありません。

医大受験のためにはセンター試験を受けなければなりません。

センター試験の科目は、外国語、国語、数学、理科、地理歴史、公民の6教科30科目です。

この30科目の中から、受験する大学に必要な科目を選択し受験します。

センター試験の後はそれぞれの大学でさらに試験があり、学科試験もあれば面接や論文などのところもあります。

2020年度からはセンター試験から大学入学共通テストというものに変わります。

センター試験ではマークシートだけでしたが、大学入学共通テストでは一部が記述になるなど、試験内容も変わってきますので、早めに情報収集をして試験に備えることが必要です。

医師への転職は可能ですが、受験に必要な学力をつけること、受験のための情報収集、そして費用の問題も出てきますので、かなりな覚悟が必要ということになりますね。

医師になるための期間と費用

医師の勉強は専門的な内容になりますし、すべての診療科の勉強が必要になりますので、他の大学と比べると通う期間も費用も違いがあります。

期間

医大はどの大学でも6年間通う必要があり、規定のカリキュラムを修了すると国家試験の受験資格が与えられます。

医師国家試験の合格率は、約90%になっておりほとんどの人が合格します。

が、この合格率になるほどに、学生時代の6年間でかなりの勉強をしているということが言えます。

費用

医大の学費は高いというイメージはあると思いますが、国公立と私立でも差がありあすし、私立の中でもかなりの差があります。

6年間の費用

  • 国公立大学医学部 約3,20,000円~3,430,000円
  • 私立大学医学部 約19,000,000円~47,000,000円

国公立の金額には入学金が入っていないのですが、国公立の場合の入学金は大学がある地域の住民は県外からの入学者よりも安くなる傾向にあります。

上記の金額に、住民なら140,000円~280,000円、県外なら280,000~840,000円の入学金がプラスされます。

国公立、私立ともにこれは学校に支払う金額であって、この他に教科書代や実習にかかる費用、参考書代などは別途かかります。

さらに6年間分の生活費が加わりますので、この金額からさらに増えることになります。

入学前にかかる費用

入学前にもセンター試験や入学試験などの費用も考えなくてはいけませんし、遠方であれば交通費や宿泊費なども必要になりますよね。

センター試験の受験料は18,000円で、国公立の受験料は17,000円、私立は大学や学部により違いがありますが、国公立よりは確実に高くなっています。

奨学金、費用の一部免除

医大も奨学金を受けることができますので、上記の費用をすべて用意しなくてはいけないということではありません。

私立大学では入学試験成績上位者は費用の一部を免除、初年度の授業料が無料、1年間に200万円程度の給付金などの独自の制度を設けているところもあります。

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看護師から医師へ転職するメリットとデメリット

看護師から医師になるのには長い時間と膨大な費用がかかります。

それだけの時間と費用をかけても、医師に転職するメリットはあるのでしょうか。

そして、デメリットはないのでしょうか。

医師への転職メリット

  • 看護師よりもできることが増える
  • 勉強や仕事に看護師の経験が活かせる
  • やりがいがある
  • 収入がアップする
  • 定年がない

患者さんに直接医療行為ができるのは医師のみです。

治療計画も医師の判断で作られます。

看護師と比べるとできる範囲も格段に広がります。

これらのことから、看護師とはまた違うやりがいを感じられるようになります。

看護師として患者さんと接しているため、実習でも医師になってからでも患者さんや他部門の人たちとのコミュニケーションに苦労することが少なくなります。

収入も看護師よりは高くなりますので、経済的な安定を図ることができます。

そして看護師には定年がありますが、医師には定年がありません。

もちろん勤務医であれば、病院の規定で手年退職をすることになりますが、開業医であれば定年はありません。

免許は一生のもですから、働こうと思えば生涯現役を貫くことができる仕事です。

年齢にあった働き方ができるというのも、メリットのひとつですね。

医師への転職デメリット

  • 指導者が年下の可能性がある
  • 精神的なプレッシャーが強い
  • 忙しい
  • 思ったより収入が少ない
  • 休みが少ない

看護師から医師になると、同期はほとんど年下ですが、指導医も年下になる可能性があります。

看護師経験があるため、医療に関してはまったくの素人というわけではないため、わかっていても年下から叱られたり意見をさせることに拒否感を覚える人もいます。

医師は自分の判断で治療方針を決めたり、処置をしたりします。

直接患者さんに行う行為が多いため、看護師よりも精神的な負担は増える可能性があります。

ひとりで何人もの患者さんを診ますし、チーム医療といっても、看護師のように24時間を交代制で診るわけではありません。

夜中や休みの日に呼ばれることもありますから、ゆっくり休むことが難しくなります。

特に経験年数の少ない医師は、プライベートはないと思っていた方が良いですね。

お給料が良いと言われる医師ですが、昼夜関係なく働き、休みの日も休めないこともある状態のため、お給料を時給に換算すると労働力に見合っていないと感じる医師も多くいます。

医師以外にも目を向ける

さて、ここまで医師への転職について書いてきましたが、医師になるのは大変だと漠然と考えていたことも、現実的に見るとかなりの時間と費用がかかることが実感できたのではないかと思います。

看護師から医師を目指す理由の中には、今よりももっと患者さんにケアがしたい、治療に携わりたいという気持ちが少なからずあると思います。

だとしたら、医師に転職をするのではなく、看護師のままスキルアップをするという手もありますよ。

2015年10月からスタートした、「特定行為研修」を受けることで医療行為の一部を医師の判断を待たずに行うことができます。

特定行為研修とは

この特定行為研修を修了した看護師を特定看護師と呼ぶことがありますが、これは新しい資格ではなく“国で定められた特定の医療行為をするための研修を受けた看護師”を総称して呼んでいるだけです。

研修を修了した看護師には修了証が発行されます。

この研修は、呼吸器や循環器、中心静脈カテーテル関連、透析管理関連など21区分38行為の医療行為について学び、医師の手順書に沿って行えるようになるためのものです。

特定行為研修対象者

看護師資格を有する人が対象です。

具体的な経験年数の明記はありません。

看護協会でも研修を行っていますが、認定看護師を対象とした研修となっています。

このことから、十分な経験を持った看護師が対象であると想像することができますね。

研修機関

研修は厚生労働大臣が指定した大学や機関、病院で行われます。

2018年2月時点で、34都道府県69機関が指定されています。

受けられる項目は機関により違いがあるため、自分が受けたい研修がどこで受けられるのかを事前に調べて置く必要があります。

期間も項目により違います。

研修修了後の仕事について

研修を終えた分野に関しては、医師の判断を待たずに医療行為を行うことができます。

ここで間違ってはいけないのが、「判断」を待たずにであって、「指示」を待たずにではないというところです。

あくまでも医師の指示は必要です。

今まで医師が到着しないとできなかったことが、指示があれば医師の到着を待たずに看護師ができるという意味です。

そして必ず医師からの手順書に沿って行うことになります。

看護師判断でできるということではありません。

このように、研修を受けることで今よりもできることが増える研修ですから、医師だけではなく研修を活用することも考えてみると良いですね。

選択肢の幅は広く!

看護師は専門的な知識と技術を必要とする仕事です。

患者さんが元気になるために日々奮闘していますが、もっとできることがあるのではないか、もっと患者さんのためにしたいという思いが強くなり、看護師資格だけでは物足りなさを感じる人もいます。

医師のように他の資格を取るというのも良いですが、今ある看護師の資格を活かす方法もあります。

新たな勉強や資格取得には時間と費用がかかりますので、これからどのようなことをしていきたいのか、どのような分野に進みたいのかを考え、それに沿った資格取得や方法を考えていきましょう。

悩んでいる時は視野が狭くなりがちです。

医師への転職も含めて、ゆっくりと納得できる選択をするようにしてくださいね。