病気や高齢などで体が自由に動かせなくなった方の手助けをしたいと考えている人にとって、作業療法士は魅力的な仕事なのではないでしょうか。
今回は作業療法士にとっておすすめの転職サイトや転職エージェントの紹介をします。
他にも作業療法士になるために必要な資格や実際の仕事内容、年収事情なども紹介しますので参考にしてみて下さい。
目次
作業療法士への転職におすすめ転職サイト・エージェント
PTOTST WORKER
PTOTST WORKERは医療関係に強い医療WORKERグループの一つなので、作業療法士に最適な介護施設やリハビリ施設の求人を多く取り揃えています。
PTOTST WORKERの特徴は、専任のキャリアアドバイザーがしっかりと転職をサポートしてくれる点です。
作業療法士という職種の特殊性や市場ニーズを熟知しているので、安心して任せることができます。
公開求人以外に非公開求人も多く取り扱っており、求人数の多さも特徴の一つです。
応募先に合った面接対策をしてくれる他、職場の雰囲気や人間関係など求人欄ではわからないことも教えてもらえます。
PTOT人材バンク
PTOT人材バンクは、リハビリ分野の転職に特化した転職サイトです。
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士に最適な求人がたくさんあるのが特徴で、そのたくさんある求人の中から自分に合った求人を迅速に紹介してもらうことができます。
求人を紹介してもらえる他にも、履歴書や職務経歴書の書き方を指導してもらえたり、応募する求人に最適な面接対策をしてもらえたりするので、転職初心者の方でも安心です。
もちろん面接時にはアドバイザーが同行してくれ、求人についてわからないことがあったら丁寧に説明してくれます。
コメディカルドットコム
コメディカルドットコムは、看護師や医療技術職、リハビリ職や介護福祉職の求人の取り扱いが中心の転職サイトです。
コメディカルドットコムの特徴は、応募先の担当者と直接コンタクトが取れる点です。
選考などについてのことを直接応募先の担当者に交渉することができるので、給与査定などを有利な条件で交渉して転職することもできます。
このことから少しでも有利な条件で転職したいと考えている作業療法士に最適な転職サイトであるといえます。
ジョブメドレー
さまざまな医療介護の求人を多数取り扱っているのがジョブメドレーです。
ジョブメドレーでは正社員の求人の他に契約社員やアルバイト、パートなどの求人も多く取り揃えているので、柔軟な働き方に対応しています。
例えばフルタイムで働くことが難しい子育て中の方でも、ジョブメドレーで職を探せばパートの仕事を見つけることができます。
さらに転職に対して気になることがあれば、キャリアサポートへ相談することができるので、満足のいく職探しをすることが可能です。
作業療法士に必要な資格・条件
作業療法士として働くには、基本的に「作業療法士」の資格を取得しなければなりません。
作業療法士の資格を取得するためには大学や専門学校などの指定された養成施設で3年以上専門的な知識を勉強する必要があります。
これらの養成施設を卒業することによって、国家試験の受験資格を得ることができます。
作業療法士の資格は、国家資格なので社会的な信用度が高いというメリットがあります。
作業療法士の試験科目は、一般問題と実施問題の二つに大きく分けられます。
一般問題は解剖学や生理学、運動学や病理学概論などの科目があり、筆記試験によって行われます。
実施問題は運動学や臨床心理学、リハビリテーション医学などの科目で構成され、筆記試験では問うことができない実技的な部分が出題されます。
作業療法士の仕事内容
リハビリなどで私たちが日々の生活で使っている動作などを回復させる役割を果たしているのが、作業療法士の仕事です。
その業務内容は、患者さんの属性や勤務する場所によって異なります。
業務内容は、身体障がいや精神障がい、発達期障がいや老年期障がいの4つに大きく分けることができます。
身体障がい者向けの作業療法を行っているところは、病院やリハビリテーションセンター、保健所や職業センターです。
精神障がい者向けの作業療法は、精神科病院や精神保健福祉センターで行っており、発達期障がいの方の作業療法は、小児病院や児童福祉センターで行われます。
老年期障がいの作業療法を行っているところは、主に介護老人保健施設や特別養護老人ホーム、訪問介護ステーションなどです。
このように作業療法士の仕事内容は勤務先によって違うので、どの方を対象に仕事をしたいのかを考えることがポイントになります。
作業療法士の仕事内容の流れ
作業療法士がどのように仕事を進めていくかというと、まずはじめに病院などの依頼によって作業療法を行わなければならない利用者を紹介してもらい処方を検討します。
次に利用者との良好な関係を築くために、作業する内容を丁寧に説明します。
その際に利用者からの同意を得ることがポイントです。その後チームで連携して目標を設定し、その目標を達成するための計画を立てます。
その計画に従って作業療法を進め、定期的に評価を行います。
もし計画通りに成果が出ていないのであれば、その都度実施方法の見直しを行い、必要に応じて目標を変更したり計画を立て直したりすることになります。
回復や改善、目標達成をすることができたら退院となりますが、退院してからも定期的なフォローアップを行います。
作業療法士が仕事で具体的に行っていることとは?
身体機能などの回復を目的としている作業療法士は、どのような取り組みを行っているかというと、例えばちぎり絵などの創作活動を行っている時に紙をやぶく動作を利用者に促したり、ゲームを行っている時に利用者が輪っかを棒に通せるようにすることなどです。
これらの動作は日常生活を送る上で必要な動きを回復させるための手助けになります。
また訓練のように同じ動きを何度もさせるのではなく、創作活動やゲームの中に取り込むことによって、楽しみながらリハビリを続けることができます。
そのような工夫をすることも、作業療法士の仕事の一つであるといえます。
他にも利用者が使用する福祉用具の選定を行ったり、自宅などで事故が起こらないように住宅改修のアドバイスなども行っています。
作業療法士の仕事はきつい?
作業療法士は患者のリハビリで1日中体を動かすことになるので、毎日体力勝負となります。
実際に作業療法士は「白衣の土方」や「白衣を着た肉体労働」と呼ばれるほど肉体労働を強いられます。
若い頃は体力があるので多少無理があっても頑張ることができますが、年齢を重ねるにつれて体力の限界を感じることが多い職種であるといえます。
また作業療法士の仕事のきつさは、肉体的なものだけではありません。
リハビリは痛みを伴うことも多いので、リハビリすることを拒否する患者さんが多く、いかに患者さんがリハビリを行ってくれるかに頭を悩ませる作業療法士が多いです。
他にもリハビリを行っているのに全然回復するきざしが見られないと、患者さんから罵倒される場合もあります。
このように作業療法士の仕事は肉体的にも精神的にもきつい仕事であるといえます。
作業療法士の年収事情
作業療法士の平均年収は、国の統計調査によると2015年度では471万円となっています。年齢別の年収予想推移は下記の通りです。
年齢 | 年収 |
---|---|
20~24歳 | 322.0万円~352.0万円 |
25~29歳 | 381.8万円~431.8万円 |
30~34歳 | 385.1万円~485.1万円 |
35~39歳 | 439.3万円~543.3万円 |
40~44歳 | 461.2万円~582.2万円 |
45~49歳 | 469.9万円~591.9万円 |
50~54歳 | 491.6万円~601.6万円 |
55~59歳 | 467.3万円~577.3万円 |
60~65歳 | 293.0万円~577.3万円 |
作業療法士の平均年収はこのような推移で金額が動いていますが、これはあくまでも平均なので、勤務先によっても多少変化があります。
また男性と女性でも平均年収に差があり、男性の方が若干高くなっています。
転職する場合はこの金額を参考程度にして求人を選ぶのがいいでしょう。パートやアルバイトなどで働く場合の平均時給は1700円です。
作業療法士の年収アップのポイントとは?
作業療法士で少しでも高い年収で働きたいと考えているのであれば、勤務する地域をしっかり選ぶことが大切です。
地域によって平均年収にバラつきがあるので、可能であれば平均年収が高い地域で働くようにしましょう。
平均年収が一番高い地域は、関東の360~500万円です。逆に平均年収が低い地域は、330~370万円の四国や320~380万円の九州です。
また作業療法士の平均年収は、働く施設によっても異なります。比較的年収が高いのは病院や医療機関です。
老人ホームなどの介護施設に比べて20万円から40万円ほど高くなっています。勤務してからの年収アップのポイントは、能力を高めて皆に認められ、部長などの役職に就くことです。
そのためには作業療法士としての能力以外にも、皆をまとめていけるようなリーダーシップが必要です。
専門的な知識が必要なのに平均年収がそんなに高くない理由とは?
作業療法士の仕事は専門的な知識や技術が必要で、リハビリをするにはなくてはならない職業です。
しかし他の職種に比べて平均年収はそんなに高くはありません。作業療法士の平均年収が低めに抑えられている理由は、時間で診療報酬が決められているからです。
そのことから経験豊富な作業療法士もまだ働き始めたばかりの作業療法士も同じ金額になります。
したがって生産性の向上が難しい職種であるといえます。他にも作業療法士として働いている人数が増えていることも平均年収が上がらないことに関係しています。
作業療法士の給与は国の財源である社会保障費から支出されますが、人数が増えても財源が増えるわけではないので、診療報酬が上がらない原因の一つといえるでしょう。
作業療法士はどんな人に向いている?
身体が自由に動けなくなって困っている人の手助けをするのが仕事の作業療法は、どんな人が向いているかというと、利用者に寄り添う気持ちがある人です。
痛みを伴うこともあるリハビリは、利用者に不安感を持たせたり辛さを感じさせることがあります。
そのような人たちの気持ちに寄り添い精神的にも支えてあげられるような人が向いているといえます。
他にも作業療法士は粘り強くリハビリを進める根気強さも必要です。
リハビリは順調に進むこともありますが、なかなか成果をあげることができない場合もあります。
そんな時利用者は投げやりになってしまうこともありますが、そうなったとしても変わらずにリハビリを続ける粘り強さが必要であるといえます。
作業療法士への転職は難しい?
作業療法士は全国に7万人以上いるといわれ増加傾向にあります。
それだと作業療法士の数が増えすぎて転職するのが難しいのではと考えてしまいますが、求人数はとても多いので転職はしやすいといえます。
作業療法士の求人は、医療機関や福祉施設、介護施設や訪問リハビリテーションなどバラエティーに富んでいるので、さまざまな転職先から選ぶことができます。
さらに作業療法士の仕事は高齢化社会が進んでいる日本では需要が高まっている傾向です。
そのことから作業療法士が活躍できる場所も幅広くなっており、介護施設や訪問リハビリテーションなどさまざまな転職先があります。
なんといっても作業療法士は国家資格であるので、他の職種に比べて転職しやすい傾向です。