病院の看護師は女性が多くて相談相手もいないし、お昼休憩や業務終了後に疎外感を感じることもありますよね。
最初は女だらけの職場で話を合わせて頑張っていたけど、毎日この生活が続くのは辛い・・。
そんな理由で転職を考える男性看護師の方も多いはず。
せっかく転職するなら一緒に働ける同性の看護師がいて、なおかつ男性の需要がある働き甲斐のある職場で働きたいですよね。
ここでは、男性看護師の需要が多い職場とその理由、それぞれの職場のメリット・デメリットについてご紹介していきます。
目次
現在、男性看護師はどういう状況に置かれているのか
近年、男性看護師の需要は年々増加していると言われています。
日本看護協会によると、男性看護師の人数は2004年は約5万5千人だったのが、2014年には9万8千人と約1.7倍になっているようです。
しかし、看護師全体から見ると男性看護師割合は10%とまだまだ少ないです。
病院を見ても、圧倒的に女性の看護師が多いですよね。
また、年収についてですが、常勤の男性看護師の平均年収は486万です。
女性の看護師の平均年収とほぼ変わらないため、男女差はないと言えるでしょう。
男性看護師が転職する理由の多くは「人間関係」です。
男性の看護師が増えてきているとは言っても、やはりまだ看護師は女性社会です。人間関係に悩んで転職を考える男性看護師も多いようです。
現在、男性看護師1人当たり約2.8件の求人があるため、一般の企業より求人数があるといえるでしょう。
高齢化が進み看護師の需要自体が高まってきていることと、離職率や転職率が高い業界なことが背景あり、求人数も多いです。
男性看護師の悩みとは
以前は男性看護師は精神科や手術室など、診療科が限定していましたが、現在男性看護師が勤務している診療科は多岐にわたっています。
しかし、多岐にわたったことで悩むこともあるようです。
病院での人間関係
男性看護師が転職を考える理由としてトップにあがっているのが「人間関係」です。
看護師の仲間はほとんどが女性のため、女性看護師の会話の輪に入れなかったり、入れたとしても輪の中で生活していくことにストレスがかかる男性看護師は少なくありません。
看護業界では男女関係なく人間関係に悩む方は多いです。
病院は閉鎖空間なので、転職するなら人間関係がいいところで働きたいですよね。
女性の患者さんに嫌がられることもある
男性は仕事と思って接していても、女性の患者さんに面と向かって嫌がられることもあり落ち込むことがあるようです。
女性の患者さんからしたら、排せつの処理や入浴の手伝いをしてもらうことは抵抗がある方が多いです。
患者さんが女性でも仕事なので、仕方のないことなのですが露骨に嫌な顔をされると落ち込んでしまいますよね。
設備面が整っていない
女性が多い業界だけに病院によっては、トイレや更衣室が整っていない病院があります。
大きな病院や、男性看護師が多く勤めている場所ではそれほど問題ないようですが、小さな病院や女性が多い診療科だと、設備が整っていなくて不自由を感じる場合があります。
精神的で肩身が狭くなくても、設備面で肩身が狭いと悩んでしまうようです。
給料面での不安
家族を持っている男性看護師は「このまま仕事を続けて、家族を養っていけるのか・・」という不安があります。
一般企業のサラリーマンに比べて、昇給もしにくく年収が上がりにくいため給料面で悩みを抱えている男性看護師は少なくありません。
後で記述しますが、年収を上げるには管理職を目指すか、基本給のよい病院に転職することが一般的な方法です。
男性看護師は頼りになる存在で、需要はある
ここまでで男性看護師は肩身が狭そうだ、悩みが多そうだと思った方もいるかもしれませんが、男性看護師にしかできないこともたくさんあります。
男性の力が必要な場面で重宝される
例えば、救急科は緊急できた患者さんをストレッチャーから病院のベッドに移す時に、どうしても力が必要になります。
長時間の手術の際には、体力が必要となるため男性が重宝されるでしょう。
また、精神科では疾患により患者さんが暴れたり、危害を加えてきたときに力で抑える必要があり、男性の力が必要な場面があります。
女性では体力や力に限界があるため、男性看護師が頼りにされ活躍することができるます。
男性看護師がいることで職場の雰囲気がよくなることも
病院は女性でさえ人間関係で転職することが多い業界です。
女性が多い職場のため、職場によっては女性特有の陰湿な感じがする職場があることも珍しくありません。
女性だらけの環境に男性看護師がいるだけで、陰湿な感じが軽減されたという例もあります。
女性看護師がセクハラにあった場合、男性看護師が頼りになる
例えば男性の患者さんが入院してきて女性の看護師にセクハラがあった場合、女性しかいない職場だと、対処に困ってしまいますよね。
男性看護師がいれば、担当を変わることができるため、職場にとって非常に頼りになる存在になります。
このように男性看護師にしかできないこともたくさんあり、年々需要は高まってきているようです。
男性看護師が求められる職場とは
男性看護師が活躍している職場とはどのような職場があるのでしょうか。
需要が多いということは、求人数も多く、働きだしてからもストレスなく働ける場合が多いです。
総合病院や大学病院だと男性看護師の割合は多い場合があります。
また、大きい病院では様々な患者さんと出会えるため自分の知識や技術向上になり、キャリアアップにも繋がります。
総合病院や、大学病院で男性の人気が高く、所属している人も多いのは、救急科、脳神経外科、小児科などです。
反対に、クリニックや婦人科の病院だと女性の割合が多くなるため、ストレスがかかりやすかったり、求人数も少なくなってしまいます。
特に人間関係が原因で転職する場合、男性が全くいない小規模の病院やクリニックは避けた方がいいかもしれません。
転職を考えている方は是非参考にしてみてくださいね。
手術室・ICU・緊急外来
手術室・ICU・緊急外来は体力がいる仕事が多いため男性看護師が活躍できます。
手術室看護師は重い機材を運んだり、長時間の手術に対応する力が必要とされ、救急外来やICUは夜勤や、急患が他の診療科に比べて多いため男性看護師の割合が多いです。
また手術室看護師は、患者さんとコミュニケーションが苦手な男性にもおすすめです。
意識のない患者さんの手術の手伝いをしたり、機材をチェックしたりといった業務が多いため、患者さんとコミュニケーションは0ではありませんが、他の病棟看護師に比べて少ないです。
精神科
精神科は、昔から男性看護師が多く在籍しており、今も男性看護師が活躍している場所です。
患者さんによっては、病気により暴れる患者さんもいます。
暴れる患者さんを抑止するためには力が必要となり男性看護師が活躍しているようです。
男性専門外来
薄毛や、男性特有の悩みを持つ患者さんの専門外来でも男性看護師は活躍しています。
病院にこられる患者さんの中には、看護師であっても女性に見られたくない患者さんが多いです。
同性の方が、悩みも相談しやすいですし、羞恥心も少なく済みますよね。
病院によってはスタッフ全員男性のところもあります。
性病科、泌尿器科
性感染症を専門に扱う病院やクリニックには男女別の入り口や待合室などプライバシーに配慮した病院が多く、受付・診察・会計までをすべて男性の看護師が扱う病院もあります。
介護施設
介護施設で働く方は介護士の方がほとんどですが、近年看護師の求人も増えてきています。
男性看護師は入居者の病気の対応や健康管理ができるほか、体力や力もあるため体力面でも歓迎されるようです。
それぞれの職場の収入は高い?注意点は?
さきほどあげた職場を収入の高い順に並べると
- 手術室、ICU、精神科、男性専門外来
- 性病科
- 介護施設
このようになります。
しかし、収入がいい職場には大変な一面もあるので注意が必要です。
手術室・ICUは夜勤やオンコールがあり、体力面では他の職場より抜群にハードでしょう。
男性専門外来は保険ではなく自費治療のところが多いため、ノルマがある場合もあり、辛く感じることがあるようです。
精神科は患者の暴力や、精神的にきつくなってしまうとこから、向いていない方にとっては仕事がストレスになってしまう場合もあります。
性病科は診療科の一つに過ぎないので普通の年収となっています。
介護施設は残業や緊急の出勤などはありませんが、介護業界で問題になっている低賃金も看護師に関係がある問題です。
収入も上げたいと考えている方には向かないでしょう。
男性看護師が年収を上げる方法
看護師が年収を上げる方法は大きく分けて3つです。
- 管理職につく
- 資格をとる
- 基本給がいい病院に転職する
年収をあげる一般的な方法は管理職につくことです。
管理職に就くには、男性看護師の割合が高い職場につくと管理職への昇進が高くなるので、年収を上げたい方は、職場探しのポイントにするとよいでしょう。
また、認定看護師の資格を取ることで、資格手当や昇進がスムーズにいくケースもあります。
転職にも有利になりますので、資格を取ることも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
てっとりばやく年収を上げたい!という方は基本給が高い職場、または昇給率が高い職場で働くのが一番確実な方法です。
男性が働きやすい求人探しのポイント
転職先を探す際には
- 男性看護師の在籍状況
- 男性看護師の求人がいるかどうか
この2つのポイントを調べるとよいでしょう。
男性看護師の在籍状況を知る
男性看護師がいると職場の悩みを相談できます。
女性ばかりの職場の中で、男性看護師がいることはとても心強いですよね。
男性看護師の管理職がいるかどうか
主任や師長の役職がついた場合、男性看護師の意見が上に伝わりやすく仕事がしやすいです。
また、管理職を目指しているという方には大きな指標となるのではないでしょうか。
男性看護師が多くいる病院の探し方
病院のWEBサイトでは男性の看護師が何人いるのか、男性看護師の管理職はいるのかなどの詳しい情報は分かりません。
自力で、男性看護師が多くいる職場を探すのは難しいと言えます。
そんな時は、看護師専門の転職サイトを利用するとよいでしょう。
コンサルタントは病院の求人やホームページに載っていない情報を持っているため、病院内の詳しい情報を知ることができ、失敗も少ないです。
多くの転職サイトは無料なので、転職を検討している方は利用してみてはいかかでしょうか。
看護師におすすめの転職サイトを知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
まとめ
いかかでしかた?
男性看護師は女性に比べてまだまだ割合は少ないですが、男性看護師にしかできないことも多く需要は高まってきています。
しかし、職場によっては肩身が狭い思いをすることもあるようです。
職場や診療科によって雰囲気はかなり異なるため、自分にあった転職先を見つけることが大切です。
男性看護師の転職を考えているみなさん、自分が活躍できるフィールドを見つけましょう!