華やかで、世界中を飛び回るイメージのあるCA(客室乗務員)。
一度は別の世界で働いていたけれど、やっぱりCAになりたい、と思う人も多いようです。ここでは、CAへの転職を考えている人のために、必要な資格や仕事内容、年収、おすすめの転職サイトについてまとめています。
実際にCAに転職した人の口コミもご紹介していますので、転職活動をする際の参考にしてみてください。
目次
CA(客室乗務員)への転職におすすめ転職サイト・エージェント
ビズリーチ
ステップアップを真剣に考え、確実に年収がアップする転職を目指すなら、ビズリーチがおすすめです。
ハイクラス向けの転職エージェントとして、ひんぱんに広告を出しているため、知名度は高めです。
ヘッドハンターからのスカウトを受けることができ、ほかの転職サイトよりもかなり有利な条件で転職することも可能です。
案件自体も高収入のものが多く、ほとんどが年収700万円以上、1000万円以上の案件も豊富にそろっています。
ヘッドハンターは、基本的に、現在の年収より高い年収を提示してくることがほとんどです。ワンランク上のキャリアを目指す、意識の高いCA希望者にはうってつけのサイトといえます。
CA人材センター
日本キャビンアテンダント協会が運営するCA人材センターは、現在CA志願者が5000名ほど登録している組織です。
CAを中心とした人材紹介システムなので、CA業界の旬の情報を手に入れることができます。元CAや、現役CAが勉強・情報共有を行う場でもあり、CAとして就職した後も、長く活用できるサイトとなっています。
CAの持つコミュニケーションスキルや機転の利くところ、接客態度の良さは他の業界でも非常に人気が高く、CA経験者を積極的に採用したい企業も多いようです。外資系社長秘書、CS推進マネージャなど、CA以外の職種についても求人を探すことができます。
キャプラン
「グローバル人材の育成・輩出」というポリシーのもと、専門職をいろんな業界に送り出している人材会社です。
航空会社をはじめ、総合総社、メーカー、国際物流会社、旅行会社、船会社、金融業界など、貿易や空港関係の仕事に非常に力を入れています。
現在はパソナグループの傘下に入っていますが、かつては日本航空のグループ会社であったため、旅行業界のスペシャリストを育てることが得意です。未経験であっても、旅行に関する研修や航空端末の操作研修、マナー研修を経てCAにふさわしいスキルを身に着けた上で、求人を探すことができます。
CA(客室乗務員)に必要な資格・条件
CAになるために、特別な資格は必要ありません。募集要項の応募要件さえ満たしていれば採用試験に応募することができます。ただし、大学(短大でも可)または専門学校卒が応募条件に入っていることが多いようです。外資系の航空会社は、四年制大学卒が必須の会社と、21歳以上なら高卒でも可能とする会社に分かれます。募集にあたって学歴の条件があることを考えると、四年制大学卒が最も有利といえるでしょう。
英語力は非常に大切で、TOEIC600点以上の英語力を持っていると採用に有利になります。特に外資系の航空会社は、採用試験が英語のみの場合が多いので、英語を重点的に勉強しておくことが大切です。(日系航空会社の場合は基本的な学力検査と英語の試験が実施されます)エアラインスクールという、航空会社への就職を目指す人の予備校もあります。受験対策や採用情報に詳しいので通学すれば、多少有利になると思われます。
航空会社の募集は、毎年出るとは限りません。既卒採用の場合は募集時期もまちまちです。日系航空会社の場合は、新卒・既卒に分けて募集が出ることになっています。
採用にあたっては、容姿の美しさよりも、体力があり、健康状態が良いことが重視されます。衣服を着たまま25~50メートル泳ぐテストを課す航空会社もあるようです。また接客業なので、話しかけやすい雰囲気を持っていることが大切です。機内の物入れを問題なく行えるだけの背の高さが必要なので、身長制限が160cm程度と規定がありますが、少し足りなくてもほかの面でカバーして合格するケースも多いようです。
CA(客室乗務員)の仕事内容
CAは、旅客機に同乗し、お客様の身の回りの世話や安全管理を行う仕事です。仕事内容としては、機内で通常行われるサービスと、緊急時の対応を行う保安管理の2種類の仕事があります。機体に異常がないか、常に厳しくチェックする必要があり、一見華やかに見えるものの、ほかの接客業と比べてもかなり特殊な仕事といえるでしょう。
対応マニュアルが細かく定められていますが、狭い機内の中で1人1人のお客様に満足していただくためにも、臨機応変な対応が求められる職業です。長時間のフライトに耐えながら笑顔で接客を行う必要があり、接客業の中でもかなりレベルの高い対応が求められます。
CA(キャビンアテンダント)は和製英語で、英語ではflight attendant(フライトアテンダント)と呼ばれています。
機内での接客
CAが通常行う業務は、機内でお客様に向けて行われるサービスです。機内アナウンスや、各クラス(エコノミー、ビジネス、ファースト)での飲食物の提供、ごみの回収作業を行います。また、新聞や雑誌、ブランケット、イヤホンの配布など、お客様1人1人に気を配りながら、その人に合った対応を行っていきます。簡単なカクテルを作ったり、子供の世話をするなど、極力お客様の要望には応えていきます。
そのほかには、トイレ掃除、免税品の販売、入国書類の配布なども行います。外国籍のお客様も多いので、生活様式や考え方が異なっている人を相手にすることも多く、非常に奥の深い仕事です。”
いざというときの保安要員
CAは、機体内の安全を守る保安要員の役割も持っています。離陸前には緊急時について注意事項を説明し、シートベルトの着用について指示を出します。また、手荷物が正しく収納されているか確認作業を行います。天候や運行状況についての機内放送を行うのもCAの仕事です。
離陸した後も、乱気流によって急な揺れが予想されるときには、シートベルト着用案内を行います。
業務にあたっては、パイロットと飛行状況について細かく連絡を取り合っていきます。飛行中は機体に異常がないか常に気を配る必要があり、この点がほかの接客業とは異なる部分です。フライト前にはパイロットと飛行計画について打ち合わせを行い、整備士と情報交換なども行います。
また、急病人が出た際の応急措置(ファーストエイド)を行ったり、空港到着後にすぐ病人を搬送できるよう手配をすることもあります。悪天候や機体のトラブルの際には、パイロットなどほかのスタッフと協力して乗客の安全を守る必要があり、あらゆる事故、事件を想定した訓練を日頃から行っています。
CA(客室乗務員)の仕事はきつい?
スカーフを巻いて颯爽と歩くCAの姿はとても優雅に見えます。しかしCAの仕事内容はかなりハードです。強靭な肉体と精神力が必要になります。フライトは長時間、しかも国際線になると時差が加わるので、体調のケアには細かく気を配る必要があります。機内はハイヒールで立ち仕事を行うため、足のマメや足腰の痛みを訴えるCAは多いようです。
CAに求められる接客スキルは高く、新人CAが一人前になるまでには何年もの経験が必要とされています。相手が求めているものを事前に察し、先回りして対応するという難しいスキルを身に着けなければなりません。また、保安訓練も厳しく、全力で走ったり、誘導のために大声を出すこともあります。
華やかな仕事だと思って飛び込むと、ギャップに苦しむこともあるかもしれません。やりがいのある仕事ですが、徹底した自己管理と強い精神力が必要な仕事だと覚悟しておいた方がいいでしょう。
CA(客室乗務員)の年収事情
大手航空会社の平均年収は以下の通りとなっています。
JAL(日本航空) | 約480万円 |
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ANA(全日空 | 約450万円 |
スカイマーク | 約330万円 |
スカイネットアジア | 約270万円 |
格安航空会社が台頭しはじめた頃は、各社とも客室乗務員の確保に躍起になっていたため、年収は現在よりも200万円ほど高い時代もあったようですが、現在はこのあたりの金額で落ち着きつつあります。
大卒のCAの年代ごとの年収の推移は以下の通りとなっています。(JALの場合)
20~24歳 | 約320万円 |
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25~29歳 | 約360万円 |
30~34歳 | 約390万円 |
35~39歳 | 約510万円 |
40~44歳 | 約620万円 |
45~49歳 | 約690万円 |
50~54歳 | 約700万円 |
55~59歳 | 約810万円 |
60~64歳 | 約570万円 |
65~69歳 | 約910万円 |
格安航空会社の給与については以下の通りです。
バニラエア | 約23万円 |
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ピーチ | 時給1000円+乗務時給500円 |
さらに、外資系の航空会社の給与も参考にしてみてください。
春秋航空(中国) | 約18万円 |
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上海航空 | 約23万円 |
大韓航空 | 約9万円+乗務時給1200円 |
アシアナ航空 | 約12万円+乗務時給800円 |
ガルーダ・インドネシア航空 | 約17万円 |
シンガポール航空 | 約30万円 |
一般的に外資系企業は年収が高い傾向があるのですが、CAに関しては日本企業の方が給与が高く、手あつい待遇といえそうです。”
特典が多い
CAの平均年収は470万円ほどとされており、事務職などと比べるとやや高めの金額となっています。そのほか、CAが受けられる福利厚生も充実しています。
①EF券(Employee Free Ticket, エンプロイー・フリーチケット)を使用できる
優待航空券のことで、本人だけでなく家族や近親者も使用可能となっています。
②フリーディも仕事日扱い
3、4日のロングフライトの後は、最低2日間の連休がもらえる仕組みになっています。この休みは出勤扱いになり、身体を休めたり、趣味や旅行を楽しむこともできます。好奇心旺盛で、新しいことにチャレンジしたい人にはうってつけの制度となっています。
ボーナスは夏・冬の年2回支給されます。主任以上になると毎回のボーナスが100万円以上受給できるケースもあり、40代以上になると1000万円以上の年収を得る人もいます。”
ANAとJALの福利厚生
CAは長い間契約制雇用とされていましたが、国内の2大航空会社ANAとJALが待遇を大きく変えました。現在最も年収が高いのもこの2社です。2014年にANAがCAを正社員化し、2016年にはJALも正社員として採用することを決めています。
ANAでは、家族手当、住宅手当、深夜労働手当、土日出勤手当、乗務手当、職務手当などの諸手当があります。家族との絆を大切にするというコンセプトのもと、実家が地方にあるCAは、休暇に自社便で気軽に帰省できるしくみを用意しています。女性にも配慮し、産休育休制度と、子育て期間中の短時間勤務も可能となっています。
一方JALでは、地方に住む人には寮を用意しています。育児支援制度が充実しており、子供が3歳に達する月の末日まで育休を取得することができ、産前に休職した人のほとんどが取得しています。
就学前の子供がいる家庭では、深夜勤務の免除、子供の看護休暇を与えており、厚生労働省の定めた次世代育成支援認定マーク「くるみん」を取得しています。女性が多い職場なので、頼もしい制度です。
CA(客室乗務員)はどんな人に向いている?
まず、接客業の基本ともいえますが、誰かの役に立ちたいという気持ちがあることが大切です。
そして、人に興味があり、初対面の人とでも仲良く話せるスキルも必要になります。CAの仕事は、フライトのたびに別のメンバーと仕事をすることも多く、限られた時間の中でコミュニケーションをとる必要があるからです。
また、体力に自信があり、自己管理能力にすぐれている人もCAに向いています。CAの仕事は時に12時間を超えるフライトになったり、1日に4回離着陸を繰り返すこともあり、かなりスケジュールの厳しい仕事です。
そして、荷物の上げ下ろしや、狭い機内でカートを押して歩くなど、非常に体力を使います。
保安要員として、いざというときはお客様を守る立場に立たなくてはいけないこともあり、体調管理に気を配り、いつでもベストな状態でフライトに臨める人が重宝されます。
空の上では、どんなトラブルが発生するか分かりません。悪天候や機体のトラブルなど、どんな状況でも落ち着いて冷静な判断を下せることも大切です。努力次第である程度の冷静さは身に着けることができますが、もともとの適正も大切になります。
CA(客室乗務員)への転職は難しい?
既存募集の枠があるので、20代後半や30代の応募者も多く、30代になってからCAに採用される場合もあります。
特に、欧州系の航空会社はあまり年齢を重視していないので、転職に有利となっています。
2016年にJALに採用された新卒者は28倍もの倍率がありました。もともとCAは人気の職業なので倍率は高めとなっています。一方、既卒者の場合は、倍率が100倍になっています。このデータだけを見ると、「転職者の方がCAになりにくい」ように見えますが、そうとは言い切れません。新卒者にしてもかなりの倍率を勝ち上がらなければならないので、新卒者にとっても難しい試験といえます。
試験対策をしっかり行い、受験する航空会社の特徴や求める人材像を事前にしっかり把握しておくことで、企業研究を怠りなく行えば合格する確率は上がります。前職での経験を重視している航空会社も多いので、まったく異なる業種から転職しても不利にはなりません。