出勤日の朝や翌日の仕事のことを考えると逃げ出したくなる、そんな経験をしたことがある方は多いと思います。
仕事をしていれば心や体に何かしらの負担がかかり、気持ちが落ち込むこともあります。
しかし、逃げ出したくなるようなつらさを我慢しすぎてしまうと、心身の健康に影響が出てしまうこともあります。
「逃げたい」という感情は、何かに対して自分が「つらい」と感じているサインです。
とくに自分自身に厳しい方は、逃げたいという自分の気持ちを甘えではないかと捉えることがあります。
ですがそれは、甘えというよりも自分自身を守るためのサインです。
何に対してのサインなのかを理解することで、仕事がつらくなった時に心と身体が壊れてしまう前に対策を考えることができます。
この記事では、逃げたいと思う気持ちの原因や対処方法、事前にできる対策を考えていきます。
目次
仕事から逃げたい理由
仕事から逃げたい理由は一人一人異なるかと思います。
まずはどんな理由が考えられるのか、いくつか例を挙げて解説していきます。
仕事の量が多く休みがない
仕事の量が多く十分な休みがとれていない状況が続いていると、当然ですが心にも身体にも大きな負担がかかります。
脳も休まることがないため、思考や判断が鈍ることもあります。
休みたいけれど休めていない状態では、仕事だけでなく日常生活にも悪影響を与えることもあります。
仕事から逃げたいと思うのは、心や身体の素直な反応です。
プレッシャーに耐えられない
責任のある仕事を任されている場合、そのプレッシャーに耐えられずに逃げ出したいと感じることもあるかと思います。
そのような仕事を任されるということは、上司や周りの人からも認められているということです。
だからこそ仕事に対する責任感も強いので、逃げ出したいという気持ちを一人で抱え込み我慢してしまうことがあります。
誰かに相談したくてもなかなかできない…という方も多いのではないでしょうか。
職場での人間関係
職場は一日の大半の時間を過ごす場所です。仕事をしていれば、誰かと関わることは避けて通れません。
良好な人間関係の職場では問題も少ないですが、人間関係が上手くいっていない職場に毎日身を置くことは相当なストレスになります。
人間関係は工夫次第で改善されることもあれば、自分だけの力ではどうしようもできない場合もあります。
完全に避けることのできない問題のため、人間関係を理由に退職したことがあるという方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
ミスが続いている
仕事でのミスが続くと、自信ややる気を失ったり、また同じようなミスを繰り返してしまうのではないかと不安になったりします。
取引先やお客様が関わっていれば、会社の信用にもつながることがあります。
ですが誰にでもミスをすることはあります。どんなに仕事ができる人でも、周りの人達が気が付いていないだけで間違えたり失敗したりを繰り返しているのです。
同じようなミスをしないためにできる限りの工夫は大切ですが、自分自身を追い詰める必要はありません。
ミスをしてしまうことが怖い時には、周りの人にダブルチェックをお願いするなど対策方法もあります。
自分ひとりで完璧にやろうとしなくても、周りの人は案外助けてくれるものです。
自分のキャパシティを超えている
仕事だからと思っていても、今の自分が抱えられる仕事の内容や量があります。
体調など、自分自身の健康状態が関わってくることもあります。
仕事だからやらなくてはと思う気持ちはとても理解できますが、今の自分にはできないということを一緒に働いている人達に勇気をもって伝えることも大切なことです。
そのためには、今はどのくらいまでならできそうなのかを把握しておくことも大切です。
「仕事から逃げたい」は甘え?
責任感が強い人ほど、「逃げたい」と思うのは甘えなのではないかと考えてしまいがちです。
その感情は決して甘えではないということを理解しておきましょう。
甘えているから悩むのではない
「逃げる」という言葉を聞いて、ポジティブに捉える人は少ないかもしれません。
ですが「逃げたい」という気持ちは誰もが抱えて良い感情ですし、「逃げたい」気持ちがあるから自分が何に負担を感じているのかを考え、対策を練ることができます。
「逃げたい」気持ちに悩んでいるのは、その気持ちと真剣に向き合っているからです。
信頼できる人に聞いてみる
自分ひとりでは仕事から逃げたいと思うなんて甘えているのではないだろうかと不安な気持ちになりますが、そんな時は信頼できる人に自分の今の気持ちを聞いてもらってみてはいかがでしょうか。
あなたのことを本当に理解しようとしている人であれば、「甘え」という言葉で解決しようとせずに一緒に解決策を考えてくれるはずです。
つらい時の対処方法
仕事がつらいと感じる時に、まずは何ができるでしょうか。
今以上の負担を自分に掛けてしまう前に、できることを考えてみましょう。
仕事からいったん離れる
つらいと感じたときは、いったん仕事から手を放すことも大切です。
仕事に追われていたり、気持ちが焦っていたりすると、手を止めるという行動もできなくなってしまうことがあります。
思い切ってデスクなど作業している場所から離れてみることで、状況を冷静に判断できるようになることもあります。
何よりも、仕事への不安や焦りでいっぱいだった気持ちをいったん落ち着かせることができます。
つらさの原因を整理する
気持ちが落ち着いて、少し余裕がある場合には、自分がどんなことにつらいと感じているのかを整理してみましょう。
つらさの対象を思いつく限り書き出してみるのも、目で確認できるので良いかと思います。
つらさの原因を一つ一つ確認していくことで、そのつらさに対してどんな工夫ができるのかを考えることができます。
何につらさを感じているのかと同時に、その原因も考えてみましょう。
つらさが少しでも軽くなる工夫を考えてみる
つらさの原因が分かったら、そのつらさを少しでも軽くできそうな工夫を考えます。
仕事の内容や量に負担を感じている場合、まずは内容や量を変更させてもらえないか上司に相談してみましょう。
なぜ負担になっているのかという原因も伝えられると、相手も状況を理解しやすくなります。
休みがなくてつらいという場合は、数日間休みをもらえないか相談が必要になります。
逃げ出したくてつらい時は、相談するということも負担に感じることがあります。
ですが相談せずに逃げ出すことは会社だけでなく、後々自分を苦しめることになります。
一人で結論を出そうとせずに、誰かと一緒に解決策を考えることが大切です。
つらくなる前にできる対策
仕事でつらくなる前に、普段からできる対策をご紹介します。
自分のキャパシティを知る
今の自分にどのくらいのキャパシティがあり、どこまでの範囲であれば処理できるのかということを把握しておくことで、自分がこなせる量を事前に調整しながら仕事の計画を立てることができます。
一週間のうちに終わらせておきたい仕事、一日に自分がこなすことのできる量、それぞれを知っていると、仕事にも優先順位をつけて取り組むことができメリハリも生まれます。
自分が出来ていることにも目を向ける
つらくて逃げ出したいときはとくに、自分の出来ていないところに目が向いてしまいがちです。
つらいという感情に気が付けた、それも出来ていることのひとつです。
床に落ちているごみを拾った、共有スペースを綺麗に使った。ひとつで十分です。そんなことで…と思うようなことでも、実際にできている人はあまりいないものです。
日頃から職場の人とコミュニケーションをとるように心掛ける
日頃から職場の人とこまめにコミュニケーションをとることで、相手が自分の変化に気が付きやすくなるだけでなく自分も相手の変化を感じ取ることができ、お互いに支え合いながら仕事ができる環境をつくることができます。
つらさを我慢しすぎることで生じるリスク
我慢しすぎることで、どんなリスクがあるのでしょうか。
自分が思っているよりも限界を超えている
つらい、逃げ出したいと思っているときは、自分が思っているよりも自分の限界を超えてしまっている場合があります。
心や身体には想像以上の負担がかかっているのです。
心身ともに健康ではいられなくなる
心や身体に負担がかかると、その負担が様々な症状として現れ、回復にも時間がかかってしまいます。
仕事をするうえでも、心と身体の健康は何よりも大切です。
命に関わる
心身へのストレスは、時に命を奪うことがあります。自殺がそのひとつです。
周りの人が早めに異変に気が付くことも大切ですが、自分で自分の限界に達しないためのボーダーラインを把握しておくことが、自分の命を守ることになります。
おわりに
逃げたいと思うことは甘えではなく、自分へのサインです。
しかし、逃げた方が自分のためになる場合と今は逃げない方が今後の自分のためになる場合、判断が必要なこともあります。
自分のキャパシティを知るということは、自分のためになる判断をするためのひとつの材料なのです。
自分の心と身体を守れるのは自分自身です。自分を守るためにどんな判断が必要なのかということを、一人一人が周りの人と共に考えながら日々を過ごしていきましょう。