特別養護老人ホーム(特養)に向いている介護職とは?他の施設とどう違う?

特別養護老人ホーム(特養)に向いている介護職とは?他の施設とどう違う?

通称「特養」と言われる特別養護老人ホームは、入居した利用者様が終の棲家として最期まで生活することができる数少ない施設です。

歴史が長いために誰もが一度は聞いたことがある施設の種類ではないでしょうか?

最大の特徴としては数多くある介護施設の中でも、運営母体が民間企業(株式会社等)ではなく社会福祉法人であることが挙げられます。

特養は第一種社会福祉事業(孤児院や障がい者施設等の運営)に分類され、個人の権利や生活を守るための砦と言われるような役割を持っています。

「社会福祉」を実現する施設という公共性の強いものとなっているため、運営母体は政府系以外では赤十字社や社会福祉法人だけとなります。

このような背景があり、民間企業と比較した際に運営に関する税制面でも非常に優遇されており、融資を受ける際にも利息を低く抑えることができます。

特別養護老人ホーム(特養)の特徴

ここでは特養に特徴について細かく触れていきましょう。

官民一体といっても過言ではない運営基準だけでなく、特養は介護の基本と言われるように、高度な介助スキルや知識を得られるのがポイントです。

利用料が安い

例として民間企業の施設では入居金が数十万円で月々の利用料は20万円~が一般的ですが、特養では入居金がなく月々の利用料は10万円以下となることもあります。

細かいところでは民間企業では月ごとにオムツ代の請求も行いますが、特養では運営にゆとりがあるためオムツ代を施設が負担する場合も多くあります。

(個人差もあるが基本的にオムツ代は月に1万円前後する場合が多いため、利用者様や家族の負担となる場合が多い)

数多くある介護施設の中でも利用料が安いことから、利用者様や(その家族)に対して絶大な人気があるため入居待ちの人が多くいます。

逆に介護職として施設で働く場合には民間企業とくらべて給料水準が高い傾向にあるのも特徴でしょう。

福利厚生等が実している施設も多数あります。

最後まで面倒を診てくれる

特養の大きな特徴の一つと言えるでしょう。

他の介護施設では利用者様が終末期(ターミナル)となった場合は、医療的措置などが必要となるため退去を迫られる場合が多くあります。

しかし特養では「社会福祉」という概念から、最期まで施設内で面倒を診るため新たな施設や病院を探すという負担も軽減できます。

そのため、医療機関との連携もしっかりしており常勤でナースが在籍しているのも特徴でしょう。

医療や薬の知識で疑問点があれば日中帯はナースがいるため、介護に役立つ色々なアドバイスを直接聞くことができるのも大きな魅力の一つでしょう。

特に介護施設では24時間365日利用者様のお世話をするため、床ずれ(褥瘡)や下剤の調整や知識が必要不可欠です。

入居基準がある

2015年までは入居基準に介護度は必要ありませんでしたが、法改正により特例を除き原則として65歳以上で要介護度が3以上となりました。

これは政府の負担軽減対策でもあり、「高齢者をなるべく在宅で面倒を見よう」という方針に舵を切り替えたためです。

入居待ちが目立つ特養ですが家族による虐待の疑惑がある方や、老々介護にて家族に対して肉体的、経済的に大きな負担が見られる場合は優先的に入居させています。

特別養護老人ホーム(特養)の仕事内容

ここでは特養で働く場合には、どういった仕事を行っていくのか具体的に紹介します。

衣食住の介助

介護施設であるため、衣食住の生活支援(介助)が大原則となります。

日々の食事介助や排泄介助、更衣や入浴介助など利用者様が生きていくための生活をサポートします。

基本的には要介護3以上の人や介護度が軽くても重度の認知症者の介護が中心となるため、他の施設と比べて必然的に高度な介護スキルを身に付けることができます。

そういったこともあり人材が充実しているところは多く、介護未経験者や初心者の方に対してもしっかりとした研修を設けている施設が大半です。

数ある介護施設の中でも特に重度の利用者様を介護するため、転職等の際に「特養で働いていた」というだけで評価が上がるほどに別格の存在と言えるでしょう。

夜間帯の介助

特養も介護施設である関係上「夜勤」という勤務は存在し、夕方16時~翌朝10時などの18時間(2日分)といった勤務形態が一般的でしょう。

こういったロング夜勤の場合には身体的な負担を軽減するために、夜勤明けの翌日は休日としている場合が多くあります。

夜間起きているだけでも身体的な負担がかかる夜勤勤務ですが、特養の場合は施設の大きさから20人程度の利用者様を1人で診ていく施設が大半です。

その間も重度の利用者様相手に排泄や更衣、徘徊や転倒予防といった見守りを行わないとならず多忙を極めます。

このようなことがあり、特養で働いている(働いていた)という実績は介護施設の中でも別格です。

特徴として特養は利用者数に応じて常勤換算で〇名雇うといったナースの配置基準を設けていますが、基本的に夜間帯に働くことはありません。

しかし夜間の急変時にはオンコールといって自宅待機している看護師に連絡し、対処法や指示を直接聞けることや場合によっては施設まで駆けつけることもあるため判断に迷わないで済むのが魅力です。

終末期(ターミナルケア)を経験できる

特養では最期まで利用者様の面倒見るため、必然的に死の間際にいる利用者様の介護を行う日が来るでしょう。

そして訪れるのが「死」であり、この時は「エンゼルケア」が必要となります。

ポイントとしては清拭を行い体をきれいにしたら、腐敗や乾燥を防ぐために保湿剤を全身にたっぷり塗って部屋中に冷房を利かせたりします。

また、口をしっかりと閉じさせるために枕を高くして顎の下にタオルを差し込んだり手を組ませたりするなど様々なケアが必要となるでしょう。

利用者様の死は特に介護職にとって非常につらいことであり、メンタルが落ちる可能性も出てきます。

裏を返せばそのような経験が自身の介護感を形成し、より良い介護を行おうと次のステップへ進むための素晴らしい経験となるはずです。

昇進を果たし部下に介護の説明を行う際にも機械的な介護だけでなく、ヒューマニズムに基づいた介護感の説明も根拠をもって説明できるようになるでしょう。

特別養護老人ホーム(特養)に向いている人は?

特養はその特性上、さまざまな経験値を積むことができるため非常に魅力的な施設と言えるでしょう。

ここではどんな人が特養の介護職に向いているのか、2つを紹介します。

介護初心者、未経験者はぜひ特養から

前述したように特養ではターミナルケアや重度の利用者様の介護を行う必要があります。

特に介護未経験者などは特養に向いているといえるでしょう。

理由としては、しっかりとした介助スキルの取得やターミナルケアによって介護感の形成を行うことができることからです。

初めからデイサービスなど夜勤がない施設やグループホーム等、利用者様の人数が少ない施設で働いて少しずつ介護になれていくという考え方もあるでしょう。

しかしそのような施設は全体的にスタッフの人数が少なく、利用者様の介護度も比較的高い傾向にあるため基本的な介助スキルを学ぶのに、やや物足りなく感じるでしょう。

スタッフが少ないということは総じて、頼れる先輩の絶対数も少なくなってしまいます。

利用者様とのレクリエーションや傾聴、対話なども介護職にとってとても大切なスキルですが、それだけではただのボランティアになってしまいます。

しっかりと介助スキルや知識を身に付けることによって、肉体面でも精神面でも利用者様のケアを行えることで介護職として成り立ちます。

ますます介護士が不足していく言われていく中で、高度な介助スキルが身についているということは転職の際にも大きな武器となります。

新卒等であったり、体力や向上心のある人

先ほどと理由はよく似ていますが、新卒等年齢が若く向上心のある人は特養で働のにとても向いているといっても過言ではないでしょう。

高度な介助スキルや知識等が身につくのもそうですが、特養で働くことによって転職する際には更に有利に働くためです。

これが大きなポイントであり特養というのは施設の形態柄、50床~大きい施設では100床を有する介護施設としては大きめです。

これは裏を返せば昇進を目指すときにはリーダーまでならポストが空きやすいですが、施設長ともなるとポストが少なく40代、50代といった方たちが多くいます。

しかし特養で経験や実績を積んだうえで、グループホームや訪問介護などの比較的小型の施設へと転職すれば施設長や所長のポストも特養と比べれば多くあります。

現に筆者の知り合いでは20代や30代で小規模な施設の施設長を任されている方は多く見受けられますが、大きな施設の施設長は基本的に壮年の方たちが占めています。

介護の世界では他の業界と違って転職=悪いことではなく、転職はキャリアアップのためにツールとして認識されつつありますので恐れることはありません。

それを最大限に活かすために新卒の方であれば介護福祉士の資格を取るまでは特養で働き、資格取得の節目と同時にキャリアップのために転職をするという考え方も良いでしょう。

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特別養護老人ホームの転職におすすめ介護職転職サイト

特養では施設が大きいことから人材を募集しているところが多くありますが、ミスマッチを起こさないためにも事前のリサーチはかかせません。

ここではそうならないために、特養に転職するために大きく役立つ転職サイトの紹介をします。

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