「内定を貰えないまま大学を卒業してしまった」
「既卒ってどうやって就活したらいいの?」
そんな悩みを抱えた既卒者へ、就職活動のやり方を詳しく解説します。また既卒がやってはいけない就活方法も説明していますので、チェックしてみて下さい。
内定を貰えなかった既卒者は、〇〇の少なさが原因です。
目次
既卒の就活内定率53%は高い?低い?
厚生労働省が行った調査によると、既卒を新卒枠で受け入れる企業のうち実際に採用に至ったケースは53%でした。
調査した年 | 採用に至った | 採用に至らなかった |
---|---|---|
2010年 | 60% | 40% |
2011年 | 56% | 44% |
2012年 | 54% | 46% |
2013年 | 45% | 55% |
2014年 | 40% | 60% |
2015年 | 53% | 47% |
半数以上という数値から、高いと感じる方もいるかも多いかもしれません。しかし2017年の新卒内定率は83.7%ですから、やはり既卒の就職は難しいということが伺えます。
参考:厚生労働省 労働経済動向調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/1508/dl/roudoukeizaidouko.pdf
大企業ほど既卒を採用している
既卒の内定率が低いのであれば、人気が高い大企業への就職は難しいと思いますよね。
しかし大企業ほど、既卒を積極的に採用しているという調査結果が出ています。
社員数 | 既卒の内定率 |
---|---|
1,001名以上 | 36% |
201〜1,000名 | 22% |
300名以下 | 10% |
従業員を1,001名以上抱える大企業の1/3が、既卒者に内定を出していることが分かります。つまり既卒であっても、安定した大企業で働くことは十分可能ということです。
大企業では新人の教育制度が整備されていることや、年齢構成の維持などを目的として、既卒者が採用されやすい環境になっています。
「既卒だから……」と諦めずにチャレンジすることで、大企業への切符を手にすることができます。
既卒が応募できる求人とは?
学校を卒業してからの就活では、「新卒採用枠」なのか「中途採用枠」からの応募になるのか悩ましいところです。
ここでは、既卒が応募できる求人について解説していきます。
卒業して3年以内であれば新卒枠で応募できる
平成22年に、国が企業に向けて「卒業して3年以内の既卒であれば、新卒枠で応募を受け付ける」という通達を出しました。
そのため多くの企業が3年以内の既卒を受け入れるようになっています。
しかし新卒枠では履歴書のキレイな学生がライバルになるため、どうしても不利になってしまいます。
また卒業してからの空白期間は短いほど有利ですので、早めの就活が重要です。
3年を経過すると「即戦力」のある実務経験者がライバルになる
業界によっては3年以上を経過しても新卒枠で応募できる企業もありますが、医療業界などほんのわずかの企業しかありません。
それ以外で応募するには、即戦力が求められる「中途採用枠」での応募に切り替わってしまいます。
若さで勝てる可能性もありますが、社会人経験やビジネスの知識においては圧倒的に不利になり、応募が多い大手企業での就職は難しくなってしまうでしょう。
既卒が内定をもらえないのは行動力の低さが原因
既卒の就活では期限があることが分かりました。次に就活において改善すべきポイントをみていきたいと思います。
無内定者のエントリー数は内定者の半分
大手転職サイトのマイナビの調査によると、内定を貰えなかった既卒は、内定者に比べて活動量が少ないことが指摘されています。
内定者の平均エントリー数が26社あるのに対し、無内定者は14社しか応募していませんでした。
「数打ち当たる」ではありませんが、やはり1社でも多く応募することが内定をもらうカギになります。
セミナーにも積極的に参加し、入社したいと思える企業を増やす活動にも力を入れましょう。
既卒が採用を勝ちとる就活テクニック
既卒の就職内定率は53%、その半数に入るためのテクニックを紹介します。
既卒の武器は若さ
企業が既卒に求める最大の要素は「若さ」です。
どの企業の色にも染まっていない素直さも重要視されます。
25歳よりも23歳の方が有利であることは間違いありません。
つまり1年の違いが明暗を分けると言っても過言ではないということです。
正社員として採用されたいのであれば、今すぐに行動を起こし就活を始めましょう。
入社への意欲は新卒に負けないことが重要
フレッシュな新卒や経験豊富な中途に負けないためには、「この企業にどうしても入社したい」という意欲をアピールすることが大切です。
「御社の〇〇に共感した」などのありきたりな動機では、ライバルをリードすることはできません。
既卒はスタート時点でマイナスの印象を与えているため、新卒の倍は頑張らなくては負けてしまいます。
「周りからは遅れをとってしまったが、働く意欲は十分にある」「今回の応募に向けてこんな努力をしてきた」など、誠意を持ってアピールしていきましょう。
徹底した企業研究
志望動機を明確にするため、また入社してからのミスマッチを防ぐため、企業研究が非常に重要になってきます。
まず応募する業界が絞られすぎていないかをチェックしましょう。
世の中には、あなたが知らない業界や職業がたくさんあることを忘れてはいけません。
また複数の企業を見極めるために「企業研究ワークシート」を用いることも有効です。
企業を比較することで、自分がどの企業に向いているか、何を重視しているかが理解できます。
既卒の就活で成功するポイントとは!新卒で応募していいって本当?
既卒がやってはいけない就活方法
「もうすぐ卒業して3年が経ってしまう」「就活が全然うまくいかない」、そんな焦りから間違った方向へ走りそうな人は一旦立ち止まって下さい。
既卒が絶対にやってはいけない就活があります。
派遣社員として経験を積む
実務経験の欲しさから、まずは派遣社員として経験を積もうと思っていませんか?
派遣を採用する企業は大手や知名度の高い企業が多く、正社員の採用に比べてハードルが低いため、派遣社員に転身する人も多いようです。
しかし派遣社員としての職歴はあまり評価されないという事実をご存知でしょうか。
そもそも派遣社員は重要な業務を任されることも少なく、新卒が受けるであろう新人研修も受けていません。
企業は派遣社員を一から育ててくれないため、派遣社員としての経験は役に立たないことがほとんどです。
正社員登用制度を利用してアルバイトからスタート
アルバイトとして半年や1年間の実務を経て、「正社員登用制度」で正社員への道を切り開く方法があります。
しかしこちらもお勧めできません。
その理由は、制度があるからといって100%正社員になれるとは限らないからです。
企業の業績が傾いたら、正社員ではない非正規社員から削られてしまいます。
もし正社員として採用されなかった場合、既卒と名乗れる残された期間はさらに短くなっているのです。
既卒が必ず聞かれる3つの質問とそれに対する回答
面接の場では、既卒になってしまった理由などネガティブな質問を受けることになります。
ここをどう上手く跳ね返すかが採用へのカギを握るため、十分な対策が必要です。
既卒が必ず聞かれる3つの質問に対し、好印象を持たれる回答を解説していきます。
既卒になった理由
面接では100%聞かれると思っていた方がいい質問です。
この質問を通して企業側が知りたいのは「就活に失敗したのは人間性に問題があるのでは?」「そもそも働く意欲が少ないかもしれない」という不安を払拭するだけの理由です。
就活をしなかった場合
「アルバイトに夢中になり真剣に取り組み過ぎてしまった。
人生の優先順位を誤ってしまったので、これから人一倍努力して周りに追いつきたい」
このように反省を踏まえ、改善していく意思を伝えましょう。
就職活動に失敗してしまった場合
「マスコミ業界だけに絞って就職活動を行いましたが、内定を頂くことができませんでした。
以前は視野が狭くなりすぎていたので、現在は企業の広報部を視野に入れて活動しています。
しかし未経験で広報に配属されることが難しいことが分かったため、マーケットを把握し商品知識を深めるためにも、まずは営業として活動していきたいと思うようになりました」
失敗した原因を追求し、現在はどんな方針を持って就活に取り組んでいるかを説明するといいでしょう。
履歴書の空白期間
空白期間を説明する上では、その期間にどんな気づきを得られたのかを説明することが大切です。
「アルバイトを通して後輩を指導することの大変さや、やりがいを見つけることができた」「経理に役立つ資格を取得したいと思い勉強をしていました。簿記1級とMOS、FASS検定の資格を取得することができました。」
このように、有益な時間を過ごすことができたとアピールするようにしましょう。しかし空白期間は出来るだけ短くしておくことが理想的です。
志望動機
新卒の採用と違い、既卒の面接では多くが「職種別採用」になります。
そのため「なぜその仕事を志望したのか」を面接官に伝える必要があります。
またどこの企業にでもある仕事に対し、「なぜ当社なのか」という問いにも明確に答えなくてはなりません。
入社への熱意を示すためには企業研究をしっかりと行い、志望したきっかけなどを具体的に説明しましょう。
自分の実体験を交えると、熱意がよりリアルに伝わります。
既卒の就活はスピードが命!
既卒の魅力は「若さ」であり、新卒に負けない仕事への熱意を伝えることが重要であることが分かりました。
この記事を読んだら、正社員を掴み取るためすぐに行動に移しましょう。
既卒の就活には企業サイトからの応募やハローワーク、就活サイトなどがあります。
また就活に自信がない方は、既卒に特化した就職エージェントを活用するのも手です。
既卒ということをネガティブに考えず、現状を受け止め前向きに活動しましょう。
「必ず内定を勝ち取る!」という自信を持つことが、成功への第一歩になります。