「広告代理店」と聞くと皆様はどのようなことを連想しますか?
「華やかで楽しそう!」「やりがいがありそう!」「給与が高そう!」等、プラスなイメージも多い反面、「ブラック企業が多そう…」「休みがとれなさそう…」「未経験にはつらそう…」等、マイナスのイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思います。
「でも実際どうなんだろう?」「営業未経験でもうまくやれるのかな?」
こう考える方も少なくないはずです。
今回は、広告代理店の営業職とは、どんなお仕事なのか?年収はどのくらいなのか?未経験でもうまくやっていけるのか等、についてご紹介していきたいと思います。
目次
広告代理店の営業はどんな仕事なのか
「広告代理店」とは、読んで字のごとく、広告を代理で販売しているお店のことです。
つまり、新聞、テレビ、ネット等の広告枠を持っているクライアント(もしくは自社)とそれを利用して集客をあげたい!と考えるクライアントをつなげる役割だと考えて頂ければよいかと思います。
要するに、「広告の場を提供するのでそこで収益をあげませんか?」とクライアントとなる企業や経営者に対して売り込む、それが広告代理店の営業マンの仕事ということになります。
広告代理店営業で大事になってくるのが、以下になります。
- クライアントの情報管理
- 予算管理
- スケジュール管理
クライアントの情報管理
クライアントには既存顧客と新規顧客の2種類ございます。
営業マンになれば、自分のエリア、もしくは担当が決められます。
その割り当てられたクライアントとうまく付き合っていくのが、営業の仕事でもあります。
コミュニケーションをうまく図るためにも顧客の情報を知っておく、管理するのは非常に重要となります。
予算管理
営業マンである以上、会社に利益をもたらすのは必然ともいえるでしょう。
営業マンは毎月、予算目標という名のノルマを課されます。
その予算目標を1か月でどのようにクリアしていくのか、どのように売り上げを作っていくか等考えなくてはなりません。
どんな内容をいつまでに提出するのか、それは月内までに間に合うのか、締め日はいつか等を気にしつつ、普段の営業を行う必要性があります。
スケジュール管理
クライアントに対して、いつまでに提案をし、回答はいつもらうのか、最短で広告を始める場合はいつから掲載可能なのか等、先を見据えながら仕事をしていかなければならないため、スケジュール管理は非常に重要な点です。
管理できていないと、クライアントからの頼みごと等を忘れてしまったり、納期までに入稿できず、クライアントに迷惑をかけてしまったりとクライアントの信用を失ってしまう恐れがありますので、十分に気を付けましょう。
広告代理店の営業職の年収はどれくらいか
広告代理店の年収は以下の通りです。
575万円~675万円(年収データ調査サイト調べ)
広告代理店で有名な「電通」や「博報堂」に関しては平均年収1000万円を超えています。
体力的にも精神的にもつらいといわれているお仕事でもありますが、実力次第では、年収1000万円越えも夢ではないのが、この業界の特徴でもあるといえます。
初期の段階から平均よりも高年収を獲得できますが、その分、コミュニケーション能力やマーケティング能力等、様々なスキルを求められる場合があるので、自分の能力を高めたい方やお金を稼ぎたい方にはぴったりといえるかもしれません。
広告代理店の営業職は激務なのか
企業や役職によっても違ってきますが、初めのうちは、激務と考えておいた方が無難でしょう。
仕事に慣れてくると、クライアントや制作側とのコミュニケーションがうまくいくようになり、仕事のスケジュール管理がうまくいき、無理のない予定通りの仕事を行うことができるのですが、初めのうちはそうもいきません。
仕事を覚えなければならないですし、クライアント等とのコミュニケーションもうまくとっていかなくてはいけません。
初めのうちは、スケジュール通りいくことが稀であるため、仕事に追われる日々が続き、残業も多くなってくると思います。
ただ、その分、仕事を達成した時の達成感や自己成長、クライアントからの感謝の言葉を聞いた瞬間等は格別でもあるため、激務な分、やりがいを感じやすい職業であるといえるでしょう。
広告代理店の営業職はどんな人におすすめか
では、どのような方が広告代理店の営業に向いているといえるのでしょうか?
以下にご紹介していきます。
1、 社会人としての最低のマナーを持っている人
これは、どの職業にも言えることですが、広告業界は世間からみると華やかな世界で人から見るとチャラチャラしていると見られることも少なくありません。
元気のよい挨拶はもちろんですが、きちんとした敬語、人に対する気遣いができる人は社内外で評判も上がり、コミュニケーションもとりやすくなります。
2、 ポジティブな人
営業職である以上、先陣を切って他企業と交流を持つことが多くなります。
クライアントとの距離が近いため、何かを成し遂げた時のやりがいを感じやすい分、自分のミスではないのにクライアントから理不尽に怒られるということもあります。
また、新規のクライアントに営業した時に、自分の提案が何度も受け入れられなかったり、クライアントから理不尽な要求を突きつけられ、売上を上げるためにやらなければならなかったりと理不尽なことに多く直面しなければなりません。
そんな時に、クヨクヨしていても始まりません。
断られたら、なぜ断られたのかをきちんと分析し、次に活かそうという前向きな気持ちが必要です。
3、 スケジュール管理がうまい人
広告代理店の営業職では先を見据えた仕事運びが必要です。
1日でも納期に遅れてしまうと、クライアントが載せたかったものが発信されないことはおろか、最悪の場合、掲載がないのにお金はクライアントから頂くといった事例もあり得るからです。
また、クライアントからあなたに直接頼み事をしてくる場合もあります。
その頼まれごとも早くやるか、遅くやるかで相手のあなたに対する印象はずいぶん変わってきます。
また、管理がうまい人は1週間に1回以上はスケジュールを整理し直ます。
自分のスケジュールを確認し直すことで自分の問題点や課題にいち早く気づくことができ、すぐに対処することができるからです。
何も考えないでただ動いているだけでは毎日が不安になりますし、まず何から行えばいいのかわからないですので、やる気もやりがいも感じづらくなってしまいます。
1週間に1回は自分の予定がしっかりとあっているのかチェックする時間を設けてみましょう。
4、 幅広い知識を持っている人
広告とは、いわば、情報を広く告知する、発信するというものです。
そのためには、まず営業マン自身が幅広い知識、話題を持っていないといけません。
クライアントから見る広告代理店の営業マンは、職業柄、「情報通」と見られている可能性も高いです。
その中で、「知りません」ということが多いと相手との会話もおろか、クライアントが愛想をつかす恐れもあります。
また、広告代理店の営業マンは常に最新のものに敏感でないといけません。
最新の話題に関しては最低限でも概要だけは知っていないと、クライアントから見くびられ、あなたの提案が通りづらくなる場合もあります。
このスキルがないと思っていらっしゃる方は、わからないことを徹底的に調べる癖や最新の話題を取り入れるために毎日新聞やニュースを見るなどの努力が必要になるでしょう。
5、 我慢強い人
クライアントに提案を何度やっても通らない、クライアントから理不尽なことで怒られる等、営業職には理不尽だなと思ってしまうことが多々あります。
ただ、そこを気にしすぎていても体によくありません。
「今回はだめだったけど今度は!」といった強靭なメンタルも必要です。
ひたむきに仕事に向き合う姿は必ずクライアントの心にも響いてきます。
6、 体力があり、タフな人
広告代理店のつらいと言われるのは、クライアントや広告主の都合に合わせながら仕事をしなければならないという点です。
クライアントから返事が返ってこなければ仕事を終わらせることができないのに、締め切りは今日までとかも仕事によっては往々に発生します。
そうなると、帰りも遅くなってしまい、十分に寝られないこともあるかもしれません。
そのような時でもクライアントの前では、元気に明るく振る舞う必要性が出てきます。
そのためにも体力や精神的な強さは必要になってくると思われます。
7、 いつでも笑顔を振りまける人
クライアントからまたは社内においても理不尽なことは多々あります。
そんな時にいちいち気にして落ち込んでも仕方ありません。
また、大変な時こそ笑顔でいられると、「この人はすごいな!」と社内外で思われるのは間違いないでしょう。
自分に対しても相手に対しても笑顔を振りまける人はこの仕事に向いているといえるでしょう。
8、 多趣味な人
この点においては2つの意味でメリットがあります。
1点目は情報に敏感だということです。
多趣味の方に多く見られる傾向は、面白いと思ったらまずやってみる!ということです。
そのためには必ずリサーチをします。
リサーチの段階で知識をつけ、実際に体験することで生きた知識になるのです。
多趣味の方はその数が多いため、様々な知識をつくチャンスでもあるでしょう。
2点目は話のネタに困らないということです。
様々なことを経験しているため、話のネタに尽くことがありません。
先述致しましたが、広告代理店で働いている以上、「情報通」と思われるのは仕方のないことです。
その中で様々なジャンルの話ができるのは、営業において、非常に武器になります。
9、 努力できる人
代理店の営業職だといろんなスキルを求められる場合があります。
例えば、コミュニケーション能力はもちろんですが、プレゼン能力、ライティング能力が必要な場合もあります。
もし、これらの能力を持ち合わせていない場合、磨く必要がありますが、その磨く作業をどれだけ愚直に努力できるかが重要になってきます。
ひたむきに努力できる人は周りからもクライアントからも信頼されやすくなり、仕事も円滑に運ぶでしょう。
10、 他人のために行動できる人
広告代理店営業とは、いわば接客業です。
相手が何を欲しているのか、そのために自分はどう動いたら良いのかを誰よりも早くつかみ取る必要があります。
早くつかみ取ることによって、クライアントから信用を得られるようになり、あなたの提案も通りやすくなるでしょう。
他者のために行動できる人は、この察知能力が非常に長けているため、広告代理店営業では有利に働く場面がたくさん出てきます。
クライアントの悩み、問題点を解決することに喜びを感じられる人は、広告代理店の営業に向いているといえるでしょう。
広告代理店の営業職は未経験でも転職できるのか
広告代理店の営業であれば、未経験でも転職することは可能です。
もちろん、異業種の営業をやっていた経験者なら、転職もしやすくなります。
ただ、実際に未経験でも採用に至るケースは、20~30代前後の方が多い傾向にあります。
美的センスやクリエイティブな思考を必要とするため、企業側はその人のポテンシャル、伸びしろを見る傾向があります。
40代以降の方でも転職は不可能ではないのですが、その年齢だと企業側からは「これはできて当たり前だろう」というハードルは高くなります。
そのハードルを越える実績がないと、転職活動は難しくなる可能性は高いです。
なので、広告業界に転職したいと思われる方は、早めの転職をおススメいたします。
広告代理店の営業として最も大事なことは…
いかがでしたか?
確かに、スキルやセンス等が必要な業界であり、体力的にも精神的にも大変ではありますが、成し遂げた時の達成感、やりがいは、何物にも代えられない喜びにつながるでしょう。
広告代理店の営業として転職し、成功するために必要なこと、それは、「他者のためにどれだけ行動ができるか」ということです。
クライアントはもちろんのことですが、社内の人であったり、その広告を見る消費者だったり、その人々の目線に合わせて、自分がどのように貢献していけるのかを考えていくのが非常に重要となります。
どんなことを言われても「私がこの人の笑顔をみるんだ!」という強い意志をもって仕事に取り組めば、おのずと仕事はうまくいくでしょう。
転職の際も、「他者のためにどんな行動を行ってきたか」を業界の志望動機に盛り込むのも良いでしょう。
転職は自分を見つめ直す最大のチャンスでもあります。
この時をきっかけにして頂き、自分を見つめ直し、今後のあなたの人生がより豊かになることを願っております。