農業における6次産業化とは?メリット・デメリットから歴史までわかりやすく解説!

農業における6次産業化とは?メリット・デメリットから歴史までわかりやすく解説!

近年では年配の世代だけではなく若者と言われる年代の中でも健康志向が高まっていることや、結婚・出産を機に田舎に移住して都会を離れて生活をする人が増えてきています。

そこで注目されているのが6次産業で、取り組む人口も多くなってきています。

そこでこの記事では、注目をされている6次産業について説明していきたいと思います。

6次産業とは?

1次産業(野菜などの生産者)が、2次産業(自分で作った野菜に加工をし)、3次産業=(加工した食品を自らで流通・販売する)産業のことで、それぞれの工程を一貫して行うことによって、自社ブランドとして商品価値を上げることが出来たり、無駄な諸費用を削ることが出来ます。

この6次産業という言葉は東京大学名誉教授の今村奈良臣氏が名付け親とされ、第一次産業と第二次産業と第三次産業の各数字を掛け算(1×2×3)すると6になることが由来とされています。

それぞれの産業を掛け合わせているので、産業の融合を図り、新たな価値を見出すことを意味しています。

6次産業が普及した時代背景

消費者の生活の移り変わりやニーズが変わったことなどで、食への関心も「安心・安全」へと移り変わり、消費者側からも「直接購入したい」「個性ある食材が欲しい」といった需要が出てきたため、6次産業化が一層加速しました。

また、メディアから発せられる情報だけではなく、webの口コミやレビューを重視する人が多くなったことや、健康志向の普及によって有機野菜、生産者の人物を知りたい人なども出てきたことも、6次産業普及に拍車がかかる要因になりました。

6次産業化の歴史年表

1950年代 生産した農産物を加工することで付加価値を付けて販売することを行う生産者もおり、「1.5次産業」と呼ばれていた。
1962年 大山町NPC運動
1979年 一村一品運動が普及する
1992年 女性で企業する人が増加した
1994年 今村奈良臣氏(東京大学名誉教授)が「6次産業化」という概念を提唱。
1999年 食料・農業・農村基本法 制定
2008年 農商工連携促進法 制定
2010年 6次産業化の市場規模が1兆円となる
2011年 六次産業化法 制定

6次産業化の具体的な取り組み

6次産業ではそれぞれの役割を飛び越えて様々な取り組みが行われています。

具体的にどのような取り組みがされているのか説明していきます。

加工品販売

本来、リンゴ農家であればリンゴを栽培して市場に出荷することで利益を得ますが、栽培したリンゴをジャムや、ジュースなどに自分で加工し、それを通販や自社の販売所で販売を行います。

この場合には生産者がどんな人なのかを消費者が知ることが出来ますし、商品の安全性はもちろんの事、魅力も伝えることが出来ます。品質やブランドを前面に押し出した商品も多数存在します。

農家民宿

農家民宿とは、農家の住居などを宿泊施設として貸し出しをするサービスのことです。

宿泊客は農作業を体験することが出来たり、農家が作った作物を食べることで、より深くその土地の習慣や文化に触れることが出来ます。

農家レストラン

その土地でとれた農作物や、地域の食材を加工・調理し提供する農家レストランが増加しています。

農場に併設していることも多く、自分で取った野菜や果物を調理してくれるレストランもあります。

2015年の時点で農家レストランの数は全国で1500軒以上(農林水産省データ)となっており非常に増えています。農家レストランが増えている背景としては、産地偽造問題などをきっかけに食品の安全性への関心が高まっていることや、農家の農産加工や直売などでの起業志向が高まっていることなどが挙げられます。

6次産業のメリットとは?

所得が向上し、経営が安定する

通常、一次産業では市場に出荷しそこで付いた値によって収益が決まりますが、6次産業では一次産業では得られなかった所得が出来たり、農作物をブランド化したり品質をアピールすることによって、付加価値を付けることが出来て、所得の向上を見込むことが出来ます。

地域の活性化につながる

その土地ならではの農作物のブランドを作ったり、農家民宿を通して観光客が増えることによって、地域の資金が潤沢になり地域の活性化が見込めます。

また、地域ならではの伝統文化や風土を世間に広めることができて伝統の保全にも繋がります。

雇用が拡大する

地方によっては働き口が無く、若者が就職難に陥っている地域もありますが、6次産業の活性化によって、農作物の生産・加工調理・販売と工程が増え業務を拡大するため雇用数も増加します。そのため地方の就職難を解消することに繋がります。

また、雇用が増えるだけではなく農閑期を迎えた際には加工業務に労力を注げることによって、所得を増やすことにもつながります。

6次産業のデメリットとは?

多額の初期投資がかかってしまう

農作物を生産から加工、販売まで手掛けるとなると様々な工程で費用が発生してしまいます。

加工するための調理器具であったり、加工食品を保管しておく場所、食品のパッケージデザイン、衛生管理、販売する設備の費用など、また事業拡大によって人件費もかかってきます。

そのため、あらかじめ費用を算出しておかないと多額な費用がかかってしまう場合があるでしょう。

厳しい衛生管理が必要

商品を加工する際には、徹底した衛生管理が求められます。

衛生管理者としての資格を取らないと食品の加工ができない場合がありますし、衛生管理を怠り食品事故を起こしてしまうと事業を存続知ることが出来なくなってしまいますし、消費者からの信用を失ってしまいます。

専門的な知識が必要

食品の生産技術や方法に関する知識を豊富に持っていても、商品を加工する技術や流通方法に関する知識が無いと、所得が増加する見込みはありません。

商品の何をアピールして、どういったパッケージで販売するのかなど戦略方針を定めることも重要な知識の1つと言えます。

6次産業化へのサポート体制

色々と書いてきましたが6次産業化は、簡単なことではありません。

「最初は何から始めればいいのか?」
「どういう戦略プランを立てればいいのか」
「専門知識を身に付けるにはどうしたら良いのか」

…など、6次産業化に取り組みたくても、「どのように進めるべきかわからない」という事業者が多いのが現状です。

しかし、全国には6次産業化に関する相談センターがあり、相談センターでは様々な支援を受けることが出来ます。

多くの事業者が最初に感じる費用に関する問題も、国や自治体から出る助成金によって解消できる可能性があります。

国のサポートを上手に活用することで、課題の解決、6次化の成功にぐっと近づいていくでしょう。

6次産業化サポートセンター

6次産業化を取り込もうとする生産者のための窓口であり、生産者のニーズに応じて、加工や販路開拓、衛生管理、経営改善、輸出、異業種との連携など 、多様な分野において民間の専門家である「6次産業化プランナー」を派遣し、課題解決にむけたアドバイスを無料で受けることが出来ます。

6次産業化サポートセンターは全国にあり、各県に1カ所ずつ設置されています。

相談をすれば、加工や流通、衛生管理など、6次産業化に関わる様々な知識を持つプロフェッショナルの6次産業化プランナーを派遣してくれます。

支援金・援助資金

各県の自治体やサポートセンターによって支援金を受け取ることの出来る基準や受け取れる金額に差があるものの、認定事業者になると、補助金や支援金が受けられます。

認定事業者になるには、6次産業化法・地産地消法に基づく「総合化事業計画」の作成を行い、認定を受ける必要があります。

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