退職証明書とは?転職時に絶対に提出しなければだめ?

退職証明書とは

転職先に退職証明書を提出して欲しいと言われてしまった。

前に在籍していた会社に、嫌がらせのようなことを書かれたりしないかな?

そもそも本当にこんな書類は必要なのだろうか。

様々な疑問が沸いてきますよね。

でも、大丈夫です。

今回は、退職証明書について説明させて頂きます。

この文章を読めば、退職証明書に関する不安点と疑問点が解消されます。

退職証明書がどのような場合に必要なのか、その活用法や退職証明書を要求する会社にはどんな思惑があるのかなどを具体的に紹介いたします。

少し長くなりますが、最後までお付き合いくださいね。

退職証明書って何?何が書かれているの?

退職証明書とは労働基準法第22条の1項に基づく、退職の事実を証明する書類です。

私文書で、即日発行可能なのが最大のメリットです。

必要事項を記入したら、あとは会社の社印を押すだけで完成する簡易な書類です。

記載内容は、使用期間(勤続年数)、業務の種類(職種等)、その事業における地位(管理職か一般社員か)、賃金(月給)または、退職の理由(一身上の都合等)について記載する書類です。

社員が書かれたくない内容については記載することを禁じることが出来ます。

また、あらかじめ、社員の国籍、信条、社会的身分もしくは労働組合運動に関する連絡を他社に連絡することは禁止されています。

転職先へ転職する際に嫌がらせを出来ないようにしているということです。

退職証明書をめぐるトラブル!

今でこそ労働基準法も厳しくなり、個人情報保護法も厳しくなったので滅多にこんなトラブルはありませんが、こんなトラブルが退職時の証明書にはあったという具体例を挙げておきます。

退職証明書に暗号を記載することが法律で明確に禁じられているのですが、かつてはこの退職証明書に暗号を付けて企業の人事部同士で労働組合員狩りが行われていました。

ほとんどの会社の人事部の過去記録にはその背景も残っています。

労働組合の活動に傾倒しすぎている社員が転職できないようにするために、暗号で「この従業員は組合活動ばかり熱心にする過激派で、会社に噛みつく危険人物だったよ!」と知らせていたわけです。

いまは殆どそのようなことは行われていませんが、あまりいい意味で使用されていた書類ではありませんでした。

いまでは組合活動そのものが沈下していますので、そのようなことをする会社は殆どありません。

どんな時に必要?公務員と金融機関に転職するときに必要となる!

退職証明書を求めるのは公務員や民間企業でも金融機関などに転職する際に必要になることが主です。

一般的な事業会社がわざわざ退職証明書を求めるということは、いま現在はあまりありません。

必要が無いからです。

公務員や金融機関は一般的な民間企業に比べて公(おおやけ)のものであるという認識が強いのが実情です。

個人の信用を強く問われるような企業である金融機関、市民の代表たる公務員への転職以外に退職証明書の発行は必要ありません。

特に公務員試験の民間企業経験者採用枠に関しては、民間企業での経験を活かして、公務員として活躍してほしいと考えて各自治体は採用活動を行っています。

民間企業での在籍を前提に採用試験を行っているので、提出するのも致し方ないと考えられます。

このように採用に関してどうしても必要だという合理的な理由があれば提出するとしても、違和感がありませんね。

他には例外的に、事務処理に必要になる場合もあります。

退職後に市役所で国民健康保険に加入する際に必要になることがある

会社を退職した場合には、会社の健康保険を任意継続しなければ、国民健康保険に加入することになります。

通常は市役所の健康保険発行の窓口に、会社の発行する健康保険の脱退証明書か、離職票を持っていけば事足りるのですが、健康保険の脱退証明書と離職票が用意できない場合には、退職証明書が必要になる場合があります。

退職した事実を証明するための書類なので、市役所の窓口に必要な記載事項を聞いてから会社に連絡するようにすれば問題ありません。

健康保険証発行に必要な記載事項を聞いて、会社に連絡するのを忘れないようにして下さい。

退職証明書の記載内容に必要な情報が足りないとなれば、何度も発行する必要が出てきてしまいます。

手続きが1回で終わるように必要事項を連絡してから書いてもらうのがベストです。

退職証明書を離職票の代わりに使用することがある

離職票の発行に時間がかかりそうなときには、退職証明書で退職の事実をハローワークに申告することが出来ます。

ハローワークに離職票を出すのが遅れれば遅れるほど、雇用保険の失業給付を受け取れる日が遠くなります。

会社を退職したときに、雇用保険への加入期間が自己都合退職の場合には1年間以上あれば雇用保険の失業給付の受給権が発生します。

会社都合の場合には加入期間が半年以上で受給資格が発生します。

理論上、退職日当日に離職票を持ってハローワークにいけばすぐに手続きが出来るのですが、即日発行できないケースが多々あります。

離職票は非常に複雑な書類です。

発行まで一週間ほどかかってしまうということもあり得ます。

給与の締日との関係があり、給与計算の日程が末締めの翌25日払いなどの場合には、退職日以降になってもまだ最後の給与が確定していない状態となっています。

このため、離職票に必要な最後の賃金の記載が離職票に出来ないので、離職してから1週間以上の時間がかかるというのは珍しいことではありません。

人事担当者が会社で離職票を作成をしてから、ハローワークの離職票受付の窓口に行き、チェックをしてもらいます。

ここで書類に問題がなければ離職票が完成します。

さらにその離職票を、会社から本人に送付します。

書類作成とハローワーク受付、送付だけで二日はかかってしまいます。

しかし、退職者としては即日に書類が欲しいというのが本音です。

そんなときに便利なのが、この退職証明書という私文書です。

離職票のように公文書ではないので、作成するのも容易です。

退職証明書は転職時には絶対求められる?

絶対に必要では全くありません。

転職先の会社の人事部からしても、事務処理が増えるだけの書類なので、公務員や金融機関以外が求めることはまずないと言っても過言ではありません。

私が人事を担当してきた複数社でも、現在の会社でも、退職証明書をわざわざ求めたりはしませんでした。

雇用保険と社会保険の資格喪失が確認できていればそれで問題ありません。

以前の雇用主との雇用関係が完全に終了しているかどうかは雇用保険の資格喪失を確認できればそれで十分だからです。

雇用保険の資格者証と、年金手帳だけあれば一般的な事業会社で必要な手続きは全て行えます。

ハッキリ言って必ず必要な書類ではありません。

提出させる企業の方が少数派です。

これから転職してきてくれる転職希望者を疑っているようで、あまり提出を求める企業も快く請求できる書類でもありません。

せっかく会社を選んでくださった転職希望者の方を疑うような行為をするならば、最初から内定を出さないのが常識です。

その人を信頼して内定を出すのが人事と経営者の本来の仕事ですし、微塵でも疑いがあるのであれば退職証明書をわざわざ提出させて転職希望者にあらぬ不安を抱かせるのは本意ではありません。

退職証明書を求める企業は何らかの労働トラブルを起こした可能性が高い!

退職証明書を求めてくる企業は、過去に従業員と労働トラブルを起こした可能性が高い企業です。

本当に転職しても大丈夫な会社かどうかを判断する材料にもなります。

先述したように、本来はほとんど転職先に提出する必要性がない書類です。

労働トラブルは労働者か経営者のどちらか一方が悪くて起こることは滅多にありません。

労働者と経営者の双方に原因があって発生するのが労働トラブルです。

もちろん、会社が原因の労働トラブルも多いですし、もしも過去に嘘をついて入社してきた従業員が出たとして、それを見抜けなかったのはある意味では人事と経営者の責任です。
退職証明書を公務員団体と金融機関以外が求めてくるのはかなり異常です。

雇用保険の資格喪失の書類さえあれば事足りるのに、なおも退職証明書を発行させるのは企業側もかなり神経質になっている証拠です。

もしもまだ転職する前の段階であれば、過去に労働トラブルを起こした会社ではないかを疑ってみましょう。

インターネットや新聞の過去記事を見るようにしてみて下さい。

労働トラブルを起こした会社は情報が残っている可能性が高いです。

転職サイトの口コミもよく見てみるようにして下さい。

転職は一生のことです。

慎重になりすぎるくらいなりすぎても問題ありません。

これから転職してきてくれる社員を疑うような会社は、入社するかどうかをよく考えてみるようにしましょう。

人を疑って気持ちのいいことは一切ありません。

転職希望者と会社の、相互信頼が採用の基本です。

退職証明書はどこで発行してもらえる?

以前勤務していた会社に証明書の発行を求めることが出来ます。

退職証明書の発行を会社が拒否することは労働基準法第22条1項に基づき、拒否出来ませんので、必ず提出してもらうことが出来ます。

何度か転職している方の場合には、時間をしっかりと確保しつつ、退職証明書を所属していた会社すべてに連絡していく必要性がありますので、2週間程度は時間を確保するようにして下さい。

退職証明書は法律上は即日発行が義務となっていますが、作成に慣れていない人事部員が多いのも事実です。

時間が少しかかると考えて余裕を持って行動するようにしましょう。

退職証明書は絶対に中身を確認しよう!

誰もが会社を、綺麗な辞め方をしているとは限りませんので、ここで実用できるテクニックを紹介いたします。

退職証明書は本人が希望しない掲載項目は削除することが出来ます。

何回でも納得いく書類になるまで、在籍していた会社に問い合わせすれば良いのです。

退職証明書を前職に連絡して発行して貰ったら、中身をすぐに確認してください。

出来る事ならば、最初から退職証明書の掲載内容は社員側から指定するようにしてみて下さい。

無断欠勤や音信不通などで会社を辞めている場合には、会社側は懲戒解雇を退職理由欄に記載します。

懲戒解雇された過去を持つ方を雇用したいと思う会社はまずありません。

通常、自己都合退職以外で退職している方を人事は敬遠してしまいます。

但し、契約社員の期間満了などは会社都合でも問題ありません。

退職証明書を提出する段階に来ているということは内定一歩手前か採用がすでに決定しているという段階です。

転職に不利になるような事項が書き込まれていたら、すぐに消すように連絡してください。

いまどきこんなことをやっている可能性は低いですが、退職証明書に変な記号や、数字番号などを発見したら消すように依頼するようにしましょう。

怪しい記号などは書類の片隅に書かれています。

不自然な折り目などを見つけても同様です。

新しくて綺麗なものに取り換えてくださいと連絡を入れるようにしましょう。

書類の折り目などでサインにしている可能性もあります。

特に古くからある企業に勤めていた方は注意するようにしてください。

書類の折り目一つでもこの書類は要注意です!

A4一枚の用紙であっても、折り目のつくことのないように、必ず大型封筒で送ってもらうようにして下さい。

そこまで注意を払っても良い書類です。

いずれにせよ会社側から提出された退職証明書を中身も見ずに転職先に提出することは絶対に避けるようにして下さい。

作成に不慣れな人事もいます。

いまの会社の人事部員は退職証明書の作成経験が全くありません。

本当にごくまれに作る書類となっています。

不自然な書き方をしてくる可能性もあります。

確認を怠らないでください!

実際に退職証明書を作成した具体例をご紹介!

実際に退職証明書を作成した具体例を挙げます。

自動車会社のサービスマンで、整備士の方でしたが、海上保安庁に転職した方がいらっしゃいました。

非常に誠実な方で素晴らしい人物でしたが、サービスマンは給料が安くて将来が不安とのことで一念発起して海上保安庁の技術職に合格されました。

電話でも連絡してきて下さり、非常に喜んでおられました。

しばらくしてから、海上保安庁の総務部人事課から退職証明書の記載のお願いという書類が届きました。

海上保安庁の場合には、フォーマットはすでに海上保安庁が作成してくれており、こちらはすぐに記入して社印をついて送り返しました。

後にも先にもこの1回くらいしか、退職証明書を作成したことはありませんでした。

公務員はカッチリしているなという印象を受けました。

退職証明書の作成が必要なのはこのように特殊な勤務先に転職する場合だけです。

不利になることがないように退職証明書には注意しよう!

退職証明書は私文書なので、会社が意図するままに作成されてしまいます。

雇用保険の離職票のような公文書は無いように虚偽を記載することが、ハローワークのチェックがあることから不可能なのに対して、退職証明書はいくらでも会社の都合の良いように書かれる可能性のある書類です。

退職証明書の中身は絶対に確認するようにして下さい!

そして何度でも自分自身が転職先で不利にならないように書き直しを要求してください!

新たな職場での希望に満ちた生活を送られることを、お祈りしております!