転職時の厚生年金と健康保険の切り替え方とは?期間が空く場合・空かない場合で分かりやすく解説!

転職後の厚生年金の切り替え

「就職したときは厚生年金と健康保険の手続きは会社がやってくれたけど、転職するときは自分で何からやったらいいのか分からない・・」

退職してから転職までに期間が空かない場合は、厚生年金や健康保険の手続きは企業側がしてくれるので、自分で何かする必要はありませんが、期間が空く場合は、自分で年金の切り替えや保険の切り替えを行わなければいけません。

ややこしいので年金や健康保険のすべてを覚える必要はありません

しかし、最低限「自分がやるべきこと」覚えていることで、老後問題なく年金を受け取ったり、保険料を軽減することができます。

自分が損をしないために、厚生年金と健康保険の切り替え方について詳しく見ていきましょう!

そもそも国民年金って?

国民年金は「基礎年金」と呼ばれるもので、20歳以上60歳未満の国民は全員が必ず加入する必要があります。

老後にもらえる国民年金の額は加入期間に応じて決まります。

例えば平成30年度の支給額は以下の通りです

77万9300円×(加入月数÷480)=年金支給額

加入期間が満期の40年間ある場合は満額もらうことができますが、加入期間が40年より短いと老後にもらえる年金も少しずつ減っていきます。

一方、厚生年金とは?

厚生年金は、国民年金に上乗せされて給付される年金のことです。

企業で働く人は厚生年金と国民年金に加入しているため、老後にもらえる年金は国民年金の支給額に厚生年金の額を上乗せした合計額が支給されることになります。

厚生年金保険の対象者は、主に会社員やサラリーマンです。

個人事業主でも従業員数が5人以上いる場合は強制的に加入となります。(飲食などのサービス業は含まない)

また、従業員数が4人以下でも従業員の2分の1異業が加入に同意する場合は申請することで加入できます。

年金には階層がある

皆さんは年金に「一階建て・二階建て」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

厚生年金に加入していると国民年金に上乗せされて支給されますが、このような構造を建物に例えて、一階建て二階建て三階建てと表現しています。

  • 一階建て 国民年金
  • 二階建て 厚生年金保険・国民年金基金
  • 三階建て 退職年金

階数が上に行けば行くほど老後の保障が手厚くなります。

1カ月でも国民年金の未納があると障害年金がもらえない

転職時に意外と空白期間が空いている人は多いようですが、国民年金の未納があるとどうなるのでしょうか。

年金の未納が1か月でもあると、自分が病気やケガで障害を受けたときの「障害年金」や自分が死んだときの「遺族年金」がもらえない場合があります。

「過去一年以内に1か月でも未納があると障害年金や遺族年金がもらえない」という点に注意して、切り替えをスムーズに行うようにしましょう。

【退職後すぐに転職が決まっている場合】個人で特に手続きをする必要はない

退職先の厚生年金への加入資格を失うのは退職日の翌日です。

転職先の厚生年金に加入する日が、退職先の加入資格を失う日と同じ日ならば問題はありません。

その場合、退職先の厚生年金からの離脱と転職先の厚生年金への加入が必要ですが、厚生年金から国民年金に切り替える手続きは不要です。

退職先の厚生年金から離脱する手続きや、転職先の厚生年金への加入手続きは、基本的に各退職先・転職先が行ってくれますので自分で何かをする必要はありません。

【退職日と転職先の厚生年金への加入日に期間がある場合】自分で国民年金に切り変えることが必要

退職後すぐに転職が決まっている場合は個人で手続きをする必要はありませんが、転職先が決まっておらず、退職後しばらく転職活動をする場合は厚生年金に加入するまで国民年金に加入する必要があります。

退職先の厚生年金から離脱の手続きは、退職先が行ってくれますので自分で手続きする必要はありませんが、国民年金への切り替えは自分で行わなければいけません。

厚生年金から国民年金へ切り替え方

国民年金への切り替えは、退職日から14日以内に最寄りの市区町村役所の年金窓口に行って手続きを行います。

必要なもの

年金手帳・印鑑・身分証明書(運転免許所)・退職日が確認できるもの(離職票など)

必要な持ち物をもって市役所に行けば、国民年金への切り替えが行えます。

【退職して独立する・自営業になる場合】国民年金の種別変更が必要

退職して独立する・自営業を行う場合は、厚生年金をやめることになりますが、それと同時に国民年金の種別変更が必要になります。

国民年金には「第1号被験者」「第2号被験者」「第3号被験者」の3種類があります。

第1号保険者

自営業・フリーランス・学生・フリーター・無職の人など

国民年金保険料を自分で納めます。

第2号保険者

厚生年金保険に加入している会社員など

厚生年金に加入する人は自動的に国民年金も加入することになります。

第3号保険者

第2号保険者の配偶者で20歳以上60歳未満の人(専業主婦の人など)

国民年金の保険料は配偶者の加入する年金制度で納めます。年収が130万円以上の人は第3号保険者でなく、第1号保険者扱いになります。

企業に勤めている人は国民年金の被保険者種別では「第2号保険者」ですが、退職して自営業・個人事業主になると種別を「第1号保険者」に変更しなければいけません。

国民年金の種別変更の仕方

厚生年金から国民年金に切り替えるとき同様、年金手帳・印鑑・身分証明書・退職日が確認できるものを持って、最寄りの市役所に行き手続きを行ってください。

転職時は健康保険の切り替えも必要になる

退職・転職に伴い厚生年金の切り替えだけでなく、健康保険の切り替えも必要になります。

再就職する・しないに関わらず、退職後14日以内に「健康保険資格喪失証明書」を再就職先の会社または新しく加入する健康保険事務所に提出して、手続きを行う必要があります。

なぜ健康保険の切り替えが必要なの?

健康保険の支払い国民の義務である

すべての国民は原則として365日、隙間なく何らかの保険に加入する必要があります。

「自分はめったに病院に行かないから健康保険に入る必要はない」は認められません。

健康保険の未加入者には、未加入時期を遡って健康保険料の請求があり、未納分の健康保険料を支払う義務があります

健康保険証がないと病院で高額の医療費を支払うことになってしまう

医療機関に行ったときに健康保険証がないと、精算時に高額の医療費が請求されてしまいます。

例えばインフルエンザになった場合、健康保険証があれば負担額は3割になりますので約3900円ほどで済みますが、健康保険証がないと治療費は全額自己負担になり、約13.000円と1万円以上の差ができてしまうのです。

普段健康だという方も、突然の事故や病気が起こらないとは限りません。

退職してすぐに健康保険の切り替えをしないと、何の保険にも加入していない「空白の期間」が発生してしまいますので、退職したら14日以内に切り替えを行いましょう。

【退職後すぐに転職が決まっている場合】転職先の社会保険に加入する

被保険者は、退職日当日に保険者の資格を失います。

すぐに再就職先が決まっている場合は、退職日の翌日から転職先の社会保険に加入しましょう。

退職日の翌日に転職先で資格習得の手続きをするだけで、再び保険者の資格を得ることができます。

転職先への保険の切り替え方とは

1.退職先の保険資格喪失証明書を取得する

転職先の保険に加入するために退職先で「保険資格喪失証明書」を取得します。

退職先・または退職先管轄の社会保険事務所に、退職者本人が申請して取得する必要があります。

2.転職先の保険加入手続きをする

退職先で取得した「健康保険喪失証明書」を転職先位に提出すれば、必要な加入手続きは転職先の企業が行ってくれます。

【退職日と転職先の社会保険の加入日に期間が空く場合】4種類方法がある

退職日と転職先の社会保険の加入日に期間が空く場合は、

  1. 退職後も引き続き退職先の社会保険を任意で継続する
  2. 家族の扶養に入る
  3. 自治体の国民健康保険に加入する
  4. 国民健康保険組合に加入する

の4つの方法があります。

1.退職後も退職先の社会保険を任意で継続する

退職先の被保険者資格を失う前日まで(退職日の前日まで)に、2か月間継続して保険に入っていると、退職後も最大2年間まで退職先の社会保険を継続することができます。

退職先の社会保険を申請する方法

退職先の社会保険の継続を希望する場合は、被保険者資格喪失日から20日以内に加入中の健康保険組合に対して継続の申請を行います。

それまで事業主と折半していた保険料をひとりで払うので、保険料の支払額が倍になります。

また、再就職で別の会社で保険に加入する場合を除いて、途中で社会保険に切り替えることができません。

保険料の支払いが1日でも遅れれば、被保険者の資格を失うので継続制度を利用する場合は十分に注意しましょう。

2.家族の健康保険の扶養に入る

生計を共にしている家族が社会保険に加入している場合、条件を満たせば健康保険の扶養に入ることができます。

家族の健康保険の扶養に入るための条件とは

家族の健康保険の扶養に入る条件は以下の通りです。

  1.  被保険者と配偶者・子・孫・姉妹・兄弟・父母・祖父祖母などの関係である
  2.  被保険者と3親等内の親族(祖父祖母や配偶者・父母・子)の関係にあり、同居していること
  3.  年収が130万円以内であること(60歳以上・障がい者年金受給者なら180万円以内)
  4.  70歳以上でないこと

3.自治体の国民健康保険に加入する

退職後に転職先が決まっていなく、自営業を目指す場合は市区町村が運営する「国民健康保険に加入することもできます。

国民健康保険は誰でも加入できますが、保険料は自治体によって違うので、自分の所属している自治体の保険料を確認しておきましょう。

4.国民健康保険組合に加入する

自治体が運営する国民健康保険に加えて、業種・職種ごとに組合が運営している「国民健康保険組合」に加入することもできます。

国民健康保険組合は業種・職種ごとに組合があるので、自分が加入できそうなものがないか調べてみましょう。

退職日から再就職までに期間が空く場合は様々な手続きが必要

転職時の厚生年金と健康保険の切り替えをざっとまとめると以下の通りです。

厚生年金は退職日の翌日に資格を失います

すぐに別の会社に転職する場合は、自分で手続きする必要はありませんが、転職までに期間が空く場合、国民年金への切り替えが必要になります。

社会保険は退職日当日に資格を失います

転職するときは退職先から「健康保険資格喪失証明書」を取得して転職先に提出する必要があります。

すぐに転職しない場合は国民健康保険に切り替えるか、家族の扶養に入るなどの別の保険に切り替えるなどの切り替えが必要になります。

ややこしく見えますが、一気にすべてを覚える必要はありません。

自分に当てはまるとところだけ覚えて「自分には何の手続きが必要なのか」をしっかり把握しましょう。