転職で年収交渉をするタイ ミングと成功するコツ!人事のプロが教える交渉術

交渉場面

転職活動で年収交渉を行うときにはベストなタイミングがあります。

年収交渉はタイミングを誤ると、内定が白紙になってしまいかねない難しいものです。

日本企業に転職する際には、日本企業の給与の構造上、年収アップが難しい構図となっています。

今回は、その年収交渉のタイミングについて、なぜタイミングが重要なのかと、どうすれば年収アップを成功できるのかの具体例を紹介いたします。

少し長くなりますが、最後までお付き合いくださいね。

日本企業は給与システムの構造から求人票に高い給与は掲載できない

年収交渉の秘訣を説明する前に、まず、日本企業の給与決定の方法とその構造を説明させて頂きたいと思います。

日本の企業は基本的に年功序列の賃金体系を導入しており、給与を決定するのは、年齢の高さが大きなウェイトを占めます。

基本的に年齢が高い人の方が給与は高くなるわけです。

最近では成果給などを導入する企業なども増えてきましたが、実情は年功給の考え方に強く引きずられています。

例えば29歳の係長よりも、40歳の平社員の方が給料は高いというケースはざらにあります。

若くして昇進したとしても、給与のベースは年功給と役職給与の2段階仕立てです。

【29歳の係長の場合】

基本給 29万円
役職手当 1万2000円
月給 30万2000円

29歳の年齢給が29万円。

それに加えて係長手当が月に1万2千円だとすると、29歳の係長の一か月の給料は、30万2千円です。

【40歳の平社員の場合】

基本給 40万円
役職手当 0円
月給 40万円

一方で年齢が40歳の平社員は、年齢給が40万円。

役職についていないため、役職手当はありませんが、月給は40万円。

若くして係長まで出世したのに、ただ長くいるというだけで年齢の高い平社員の方が給与は高くなります。

これはどの企業にも当てはまることで、決して珍しいことではありません。

成果主義を導入している企業はこれを分かりにくくしているにすぎません。

成果主義で早く昇進すると役職手当がつきます。この役職手当を多くして、若手の元々の賃金ベースを下げておけば、見かけ上、役職もついて給与も高いような錯覚を与えることが可能です。

人事部の人間以外は、給料を見ることができないので、社員が錯覚を覚えるのは当然といえば当然です。

給与が年齢で決定する以上、役職に就くのがいくら早くても、給与は年齢が若ければ安いのです。

なので、若年者を求人する場合、いきなり高い給料を求人に掲載することはありません。

実際に面接に来てくれた際に、その人の年齢や職務経験を考慮して年収を決定しようという思惑が人事部側にあるためです。

既存社員との給与の差についても企業には配慮義務がある

仮に中途採用者を29歳で採用したとして、既存社員の給与を年齢給だけで決めているとすれば、すんなりと既存社員と同じ29歳の社員と同じにすれば良いとなる考えられるかも知れませんが、そうもいきません。

既存社員は定期昇給で給料をアップしてきています。

年に1回、正社員はベースアップと定期昇給がありますが、それによって会社に在籍している29歳の既存社員の給与はそこまで上がっています。

簡単に言えば、22歳で新卒で入社して、毎年1万円ずつ定期昇給とベースアップで賃金を上昇させてきた結果、入社7年が経過した29歳の既存社員の給与は月29万円になっているのです。

7年間のベースアップと定期昇給という既得権益が既存社員にはあります。

転職してきて勤続年数0年の社員と全く同じ給与にすると、不整合が生じます。

この既存社員の給与はなぜこの給料なのか、この転職者の給与はなぜこの給料なのかと組合から人事部が説明を求められたときに、説明ができません。

既存社員の既得権益を奪ったと組合に指摘される可能性があります。

未だに日本企業に根強い毎年の昇給で給与を決定するという考え方と、長く勤めているから給与が上昇してきていると考える既存社員の存在がさらに話を複雑化します。

何よりも既存社員への気持ちへの配慮が必要です。

後から入った社員の給与が既存社員の給与より高いと、既存の社員の士気を低下させてしまいます。

これが日本では転職をすると年収が下がると言われると言われる由縁です。

日本企業ではその構造上、給与交渉がしにくくなっています。

これを前提に給与交渉の具体的な行い方を説明いたします。

給与の大幅アップを狙える職種は限られている

給与の大幅なアップが可能なのは、営業職と一部の研究・開発職、金融トレーダーのような特殊な経験と技能を保有している社員に限られます。

営業職などは最もわかりやすい例で、売れば売った分だけ一時的に特別報奨金という形で給与に上乗せすれば良いので、給与が高くなっても特に既存社員との賃金差の説明に苦戦することはありません。

実力があり、会社に利益をもたらしているのだからこの給与は当然であるという説明をすることが可能です。

その代わりに、中途入社の営業職で全く売れなければ、居場所がなくなる危険性と常に隣り合わせなのが成果主義による賃金支給額が大きい営業職の特徴です。

また、研究・開発職・金融トレーダーなども同様で厳しく成果を問われる仕事内容なのが特徴です。

特殊な技能を持ち合わせている専門職なので、給与が高い特例だと組合や周囲の社員に対して説明することができます。

給与が高くなる理由がハッキリと周囲を納得させるだけの実力があれば組合も周囲も納得させることが可能という一例です。

同時に、これらの職種は、成果を厳しく問われる職種だと言うことも理由に挙げられます。

給与を高くするということはそれだけ成果を問われる職種ということです。

一般的な事務職では、給与のアップを狙うことは不可能なのか?

一般的な事務職でも給与をアップさせることは可能です。

それはズバリ、転職するまでにどれだけの付加価値を身に付けているかということです。

様々な会社で一貫した職歴を持っており、卓越した企画能力を身に付けていれば、転職時に給与がアップする可能性は高まります。

特に、昨今ではイノベーションを起こせる人材が、事務職でも必要とされています。

事務職であっても自ら企画を提案できる人材は、重宝されますし、優遇されます。

実際に交渉で年収をアップできる人材とは?

上場企業で経理をし、ベンチャー企業で経理をし、大企業で財務をしてきた。

経理の仕事をベースとして転職をしてきており、大企業では財務という仕事を遂行してき
た人材です。

経理は日常の経費処理を行う仕事ですが、財務は、企業の未来を考えて資金繰りをする仕事です。

求人する会社側が、企業の未来を担う新たな発想を与えてくれる人材が欲しいと考えたときに、このように様々な会社で同じ仕事をしてきた人材を欲しがります。

確かな経験をベースに新たな発想ができると考えられるからです。

こうした人材であれば、転職回数が多少多くとも、評価されます。

スペシャリストという枠組みで評価されるため、年収交渉の余地があります。

年収交渉を行うには、どのタイミングがベストなのか

これまで、年収交渉を行える人材の条件を説明してきました。

年収交渉を行うベストタイミングは、いつが良いのか。

結論としては、年収交渉を行うベストタイミングは、内定後です。

原則として、内定前に年収交渉をすることは、即座に内定が白紙になってしまうことがありますので、絶対に避けるようにしましょう。

年収の話は、内定後に交渉すれば良いのです。

内定後は、内定取り消しは法的に行えませんので、条件が合うか合わないかだけで話を進めることが可能ですが、採用内定を出される前の段階では不採用にされる可能性があるためです。

採用前の段階で折り合いがつかないとすれば、人事部としては不採用にしてしまえば良いだけなので、何のリスクも背負う必要がありません。

内定後は内定取り消しをすれば違法行為なので、リスクが高まります。

内定済みの転職希望者からの年収交渉を、人事部は無視できません。

例外として、年収交渉の余地のある時の人事部のサインをここで伝えます。

「もっと給料、欲しいんじゃないですか?あなたの経験ならばこれくらい、うちならば出せ
ますよ。」

「年収は○○万円でよろしいですか?希望がある場合はおっしゃってください。」

最終面接のタイミングで、この言葉が出れば人事は、あなたに内定を出したいというサイ
ンです。

ここで希望の年収を伝えるのは問題ありません。

最も注意すべき年収交渉のタイミング!最終面接後の面談には要注意!

あなたが、仮に最終面接を終えたとします。

その後、内定通知などはなく、面接ではなく、面談をしたいと人事部から連絡が来ることがあります。

これは、最も注意すべきパターンです。

もしもあっさりと希望年収を出せれば良いですが、出せない場合には、条件が悪くなっても大丈夫か?という意味で人事部からの呼び出しがあります。

もしもあなたの希望年収を出せるのならば、内定通知に年収などを記載してすぐに連絡が来ますが、欲しい人材ではあるが、その希望通りの年収を出せない場合は、最終面接後の面談で年収条件を提示してくる可能性があります。

ここで、交渉術があります。

もしも年収を少しでも上げたいのであれば、いきなり最終面談の場で、条件について合意するのは避けてください。

一度、家に持ち帰るようにして家族に相談するようにしましょう。

また、結婚してご家族がいらっしゃる場合には、配偶者と相談したいというのが最も相手に有効な交渉術です。

人事は家族持ちの転職希望者に非常に弱いです。

本人ではなくて、家族の強い反対に合うような年収であれば、人事部は反対に合わないような年収にしようと真剣に悩んでくれます。

20代の若者でも結婚したりお子さんがいたりする方がいらっしゃると思います。

そういう方はこう伝えましょう。

「私自身は、今回の条件でも入社したいという考えがあるのですが、嫁が非常に不安がっており、この年収では生活が厳しいと言われてしまった。どうにかして頂けませんか?」

限定的になりますが、こういう場合は、年収の話は本人だけの問題ではない、入社した後に家族に恨まれることだけは絶対に避けたいという心理が人事部の人間には発生します。

独身であれば、本人と会社だけで話が済みますが、家族持ちの転職希望者に内定を出した場合、その家族の生活も会社が左右してしまいます。

こういう場合には、特別手当という形で、家族手当を特別に付けて条件をアップし年収ベースで24万円ほど、月2万円の家族手当を付与するなど、臨機応変に対応してくれる会社もあります。

但し、大企業には通用しない可能性が高いです。労働組合に説明がつけられません。

オーナー企業が多い中小企業であれば家族を大切にせよという経営者も非常に多いので、特別な手当を期待できる可能性が高いです。

条件交渉術には、このように人事部側の心理を知っておくとも大切です。

基本的に社員や転職希望者の家族を敵に回したくないというのが人事部の心理です。

転職で年収アップを目指すなら転職サイトを活用しよう!

年収アップするならば転職サイトが最も良い転職方法です。

転職エージェントでは、年収交渉を行ってくれるエージェントもいますが、それは彼らの利益のための側面が強く、年収交渉を行っても強引な年収交渉にあることが多々あります。

転職エージェントの利益は、転職者の年収の30%を紹介料として会社から徴収することで成り立っています。

年収が高ければ高いほど彼ら転職エージェントの利益になるので交渉は強引なものになりがちです。

また、人事部の側からしても転職エージェントに年収交渉をされるとこんな心理にもなります。

本当に本人がこんな高い年収を欲しがっているのか?という本人を通さないことによる猜疑心です。

真剣さが伝わってきません。

ハローワークはそもそも求人に関するチェック機能も甘く、内定後に滅茶苦茶な労働条件に平気で変更をされてしまうことも多々あります。

ハローワークの職業紹介をしている方も、大半が1年契約の非正規の方ばかりです。

1年契約の嘱託の方に、責任を持った仕事を期待すること自体が難しいです。

来年にはいなくなっているのですから。

転職サイトは求人内容に関しては、クレームを利用者から受けないように求人内容については精査されていますし、何よりも、もしも面接を受けて年収交渉まで至ったとき、自分自身の希望年収や状況を直接、会社に伝えることができます。

転職サイトを積極的に活用しましょう!

新天地でのご活躍をお祈りしております!

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