30代は、公私ともに大きな変化を迎える年齢でもあります。
そのような時に、転職について考える人も多いのではないでしょうか。
年収や労働環境、今後の自身のキャリアなどさまざまな理由がありますが、中には未経験の業種へ転職したいと思う人も多いです。
しかし、一歩踏み出すのにどうしても勇気がいります。
「未経験の業種に転職してもうまくやっていけるのか不安」
「そもそも30代で異業種に転職するのはとても難しいのでは?」
このように、30代になって未経験の業種への転職に不安を抱えてしまうのです。
今回は30代で未経験の業種に転職は可能なのか、どうすれば未経験の業種への転職に成功できるのかについてご紹介したいと思います。
少しでも興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
30代で未経験の業種へ転職できるか?
30代で未経験の業種に転職できるかというと、絶対に転職できないわけではありません。
しかし、どのような転職を望んでいるかによって、難しさは変わります。
そのポイントとなるのが、「業種」と「職種」の2つの観点です。
「業種」と「職種」の違い
「業種」と「職種」は、転職活動において違う意味を持っています。
まずは、その違いを理解しておきましょう。
業種とは?
業種とは、会社や個人が営んでいる事業の種類です。
総務省が告示している日本標準産業分類に定められている業種が基本的な分類とされています。
「建設業」「製造業」「サービス業」などの約20種類の大分類があり、そこからまた細かく枝分かれしています。
辞書によっては職種と同じような意味も持つとされていますが、一般的には事業の種類を指すことが多いです。
職種とは?
職種とは、その人の仕事の種類のことを指しています。
一般的にハローワークなどで定義されている職業分類などを参考にすることが多いです。
「事務職」「営業職」「開発職」など、自分の担当する業務の種類について表すのが職種です。
「サービス業をやっている会社で営業をしています」
「不動産を扱っている企業で事務をしています」
自分の仕事を説明する際、このように「業種」と「職種」を組み合わせることで、大体の意味が伝わるようになっています。
未経験の業種へ転職するパターンと難易度
未経験の業種へ転職する場合、パターンとして以下の二つが考えられます。
異業種×同職種への転職
一般的に成功しやすいのがこのパターンです。
業種について未経験だったとしても、職種は変わらないため、基本的な業務内容が同じである可能性が高いです。
そのため、これまでの経験を十分に発揮できると、すぐに活躍できます。
また、採用する側も現場に新しい風を送り込みたいと考えている企業もあるため、比較的採用されやすくなります。
異業種×異職種への転職
30代で業種・職種ともに未経験の分野に転職する場合、ハードルはとても高くなります。
社会人の経験があるとしても、業種や職種の知識や経験がないのは、ほとんど20代の新人と同じようなものです。
企業にとって、30代を採用する場合、できるだけ即戦力となる人材が欲しいと考えています。
そのため、経験や知識のない30代を採用して育てようという企業を探すのは大変です。
もし、見つけたとしても、20代との競争を避けられません。
このパターンの転職は、今までの知識やスキルを使う場面が少く、新しく覚えることも多いです。
20代と同じくらいの余裕が30代にあるかどうか比べたとき、どうしても不利になることが多いのです。
よほどのことがない限り、このパターンの転職は避けたほうがよいでしょう。
転職しやすい職種・業種とは?未経験からの異業種におすすめの仕事4選!
即戦力となれるかがカギ
30代で転職を成功したい場合、実務経験やスキル、知識のアピールが必要です。
企業に対して、即戦力であることを印象づけられるかが成功へのカギです。
しかし、「経験がないので入社して一から学びなおしたい」と考えている人にとって、ハードルは高くなります。
また、年齢を重ねるごとに、管理職としての力も求められるので、より難しくなります。
特に、異業種×異職種の場合は、想像以上の努力が必要です。
それでも、転職したい場合、20代と比べてどれほどのアドバンテージがあるのかアピールしなければなりません。
そのため、行動を起こすのであれば早い段階で動いて、知識や経験をできるだけ吸収しておきましょう。
30代で未経験の業種への転職を成功させるためのポイント
では、30代で未経験の業種への転職を成功させるためには何が必要なのでしょうか。
ここでは、成功するための7つのポイントを紹介します。
- 必要な資格がある場合、前もって取得しておく
- キャリアの棚卸しはできるだけ具体的かつ詳細に
- アピールを行うときは、具体的な経験を織り交ぜる
- 志望動機を明確にしておく
- 年収が下がることは覚悟しておく
- 事前に家族からの理解を得ておく
- 転職したい業種の情報を集める
必要な資格がある場合、前もって取得しておく
未経験の業種へ転職する際、取得が必要な資格や持っていたほうがよい資格があります。
例えば、不動産業では「宅地建物取引士」、情報通信業では「基本情報技術者」などがそれに当たります。
事前に取得しておくことで、スキルを証明できますし、業種への興味があることのアピールにもなります。
また、業務に資格が必要なものもあるので、入社してすぐ活躍できるように資格は取得しておきましょう。
専門的な資格でなくても、「簿記」「MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)」「TOEIC」など全般的に役立つ資格取得もおすすめです。
ただし、資格取得をゴールにするのはやめましょう。
まずは何をやりたいのか考えた上で、必要な資格を取るという手順で進めていきましょう。
キャリアの棚卸しはできるだけ具体的かつ詳細に
転職活動を始めるとき、キャリアの棚卸しは必ず行います。
未経験の業種へ転職したい場合は、できるだけ具体的かつ詳細に行うようにしましょう。
自身では何が強みになるのかわからないことが多いためです。
今までは当たり前と思っていても、転職先では全く考えられなかった新しい視点であることも少なくありません。
少しでもプラスのポイントを見つけられるように、詳細な棚卸を行いましょう。
そして、転職エージェントや家族などに見せて、新しいアピールポイントを発見しましょう。
ひとつでもアピールポイントが出てくれば、成功する可能性を上げられます。
アピールを行うときは、具体的な経験を織り交ぜる
面接や履歴書でアピールするとき、具体的な経験を織り交ぜることで効果が上がります。
プロジェクトの予算や人数など数値を交ぜると、より強固なアピールにつながります。
また、営業経験がある場合は商品の売り込み方、製品開発の経験があれば作りたい製品の話などをしてみると、企業側の興味も強まります。
一方で、単純にやる気だけのアピールは、企業側に響きません。
実際に行動した結果を示した上でのアピールであればよいですが、ただ「やる気があります」と言ってしまうのは効果がほとんどありません。
志望動機を明確にしておく
30代で未経験の業種への転職を考えているならば、志望動機は明確にしておきましょう。
同業種内の転職でも大切ですが、異業種への転職の場合はより重要です。
「なぜこの業種を選んだのか」「なぜこの企業なのか」など、企業側の疑問を解消できる説明が必要です。
また、業種だけでなく、職種まで変えたいと思っている場合、「なぜこの職種を選んだのか」という点も考えなければなりません。
そのためにも、誰もが納得できる明確な志望動機を用意する必要があるのです。
年収が下がることは覚悟しておく
未経験の業種へ転職する場合、業種での経験がないという点で年収が下がってしまうケースがあります。
前職のスキルや経験が活用できる役職ついたりスカウトされたりした場合は年収が上がるケースもあります。
しかし、業種についての経験がないのを理由に、年収が下がることの方が多いです。
特に、職種まで未経験となると年収ダウンは避けられません。
そのため、高望みせず現実的な視点を持った上で、冷静に転職活動を進めていく必要があります。
事前に家族からの理解を得ておく
未経験の業種へ転職したいと考える人の中に、転職先が決まるまで秘密にする人がいます。
本人は、家族に心配をかけたくないと考えているようですが、逆効果になることが多いので、最初の段階で打ち明けましょう。
特に、結婚している人は、絶対に事前に打ち明けましょう。
なぜなら、未経験の業種への転職は、生活に大きな変化をもたらすためです。
例えば、以下のような変化があります。
- 年収が下がり、生活費のやりくりが大変になる
- 休日が変わる(土日休みが平日休みになるなど)ため、家族との時間が取れなくなる
- 勤務時間が変わり、生活のリズムも変化する
- 転勤や出張が多くなり、引っ越しや単身赴任の可能性が出てくる
この他にも、もっと出てくる場合もあるでしょう。
転職先が決まった後で打ち明けると、これらの変化がいきなり家族にのしかかる可能性があるのです。
最悪の場合、転職先の採用を辞退せざるをえない状況にもなってしまいます。
そのような状況を避けるために、事前に家族からの理解を得て、安心して転職活動をできるようにしましょう。
転職したい業種の情報を集める
未経験の業種への転職を成功させたいなら、あらゆるところにアンテナを張り、転職先の業種の情報を集めましょう。
新聞やネットニュース、転職サイトに転職エージェント、友人や身内、現場の見学などいろいろなところから情報を収集できます。
前職での常識が通用しなかったり、反対に転職先の業種で考えていない方法の発見につながることもあります。
たくさんの情報を集めることは、業務イメージの具体化につながります。
未経験の業種でも現実に近いイメージを持てば、ミスマッチの防止や、自身のスキルと経験をどうやって業種につなげられるかかアピールできます。
また、イメージができていれば、入社後、スムーズに業務を行えるので、ぜひともやっておきましょう。
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転職サイト・転職エージェントを利用しよう
未経験でも採用を考えている企業を探すことができる
転職サイトや転職エージェントでは数多くの求人情報が掲載されています。
その中には、30代で未経験の人でも採用する企業の情報も記載されていることもあります。
特に転職エージェントを利用した場合、未経験だとしても活躍ができそうな企業や、受け入れる体制の整った企業をピンポイントで紹介してもらえます。
そのため、より希望に近い職場に出会う可能性が高くなります。
また、転職しようとしている業種の年収の相場や福利厚生の種類なども参考にできます。
年収や福利厚生などの目安がわかるので、転職先を選択するにあたって、満足のいく企業を探せる可能性が高くなります。
転職したい業種の情報を集めたいのであれば利用しない手はありません。
転職エージェントからのフォローを受けられる
転職エージェントは求人を紹介するだけではありません。
希望すれば、履歴書や職務経歴書の書き方、面接での受け答えやアピール方法などのアドバイスをもらえます。
通常、転職に不利になるようなこと(空白期間がある、持病があるなど)についても、評価が下がらないようにするフォローの仕方を教えてもらえるため、非常に助かります。
また、自分と同じような転職をしたケースを担当している場合もあるため、貴重な情報を取得できる可能性もあります。
自分の都合に合わせた転職活動ができる
転職サイトは基本的に24時間利用できます。
日中は仕事をして、空いた時間や仕事が終わった後に企業メッセージの確認や、返信ができます。
また、転職エージェントは、面接の日程調整や、選考結果の連絡などを一手に引き受けてくれるので、利用者は無駄に時間を消費しません。
少ない時間で効率的に動けるようになるため、無理をせず、自分のペースで転職活動が行えるのです。
業務や家庭関係で忙しい毎日を送っている人にとって、とても便利なサービスなのです。
ここまで、30代で未経験の業種へ転職できる可能性と、成功するためのポイントを紹介してきました。
未経験の分野に飛び込むことはとても大変なことです。
その大変さに、不安を感じてしまったり、あきらめてしまう人もいます。
しかし、それほどの大きなチャレンジをしたからには、得るものもたくさんあります。
視野が広がる、新しい知識・技術が身に付く、新たな人脈を手に入れるなど、単純にお金には代えがたいものが手に入ります。
ここで紹介した、成功するポイントをしっかりと意識した上で、未経験の業種への転職を成功させましょう。